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2001/03/06
<参院予算委>「機密費問題は政治が覚悟示すステージ」北澤参院幹事長が徹底解明・予算削減求める
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平成13年度予算案審議は参議院に場を移し、6日から参議院予算委員会で森首相ら全閣僚出席の総括質疑が始まった。民主党・新緑風会から北澤俊美参議院幹事長と高嶋良充予算委理事の二人が質問に立った。

 参院予算委員会のトップバッターとして北澤議員は、「政治への信頼回復」をテーマにさまざまな問題を取り上げた。

 まず冒頭、前日の衆院での不信任案否決を受けて、「ぶしつけだが、近々おやめになるのか」と森首相に切り込んだ。しかし首相は「国会が国家国民のことを優先に考えて不信任案を否決したものと受け止め、誠心誠意努力していきたい」と政権継続に意欲を見せた。

続いて、えひめ丸衝突沈没事故への対応で、ゴルフ場でプレーをし続けたことや、友人が勝ったゴルフ会員権を使い続けていたことについて森首相が長口舌で弁明したのに対し、北澤議員は「遁辞を弄するという言葉を思い出して仕方がない。すぐに駆けつけるという姿勢があれば国民の信頼は損なわれなかった」「会員権はいわばステータス・シンボル、自ら汗したお金で買うのが社会の常識だ」とたしなめた。

●首脳会談は政権安定が前提

 次に、北澤議員は、与党内で森総理退陣論が取りざたされていることに関連し、日露、日米首脳会談の予定について「政治基盤がしっかりしたときにやるべきで、今はその時期ではない」と迫ったが、首相は「これはこれまでの延長線上にあるもので、新しい21世紀につながる外交課題だ」と譲らなかった。

 不良債権問題では、北澤議員は「直接償却はきわめてリスクが大きい。セーフティネットをつくるべきだ。また銀行への税金の再注入はないか」と質問。柳澤金融担当相は、「直接処理といってもかなりの引き当てが済んでおり、新たなセーフティネットが必要になるとは考えていない。再注入は目下全く頭にない」と答えた。

●与党の政策責任者の職務権限は?

 KSD汚職事件で、北澤議員は森首相に「KSDが肩代わりした党費は早く返還すべきだ」と迫ったのに対し、首相は「党員すべてに入党の意思確認を行うのは時間もかかるし、限界もある。党内の調査チームで状況把握につとめている」などと答弁。北澤議員は「自民党は党員管理が進んでいるときく。紹介議員がだれかで検索すればポンと出るはずだ。調査をしているといって1ヶ月たっている。そうやってほとぼりの冷めるのを待つ戦術か」と皮肉混じりに批判した。

 続けて、自民党の亀井政調会長がものつくり大学の補助金20億円上乗せに関与したことに関連し、北澤議員は「与党の政策責任者の職務権限」についての見解を高村法相と古田法務省刑事局長に質した。ところが先に答弁した古田局長が「私の立場から申し上げるのは非常に困難」、高村法相が「法律の専門家である刑事局長が困難なことは法務大臣も困難」などとまともに答えようとしなかったことから、委員会室は「それなら大臣はいらない」と騒然となり、質疑は一時中断。

 北澤議員は「政策決定に政党が重要な役割を果たすようになると議員としての活動と政党の一員としての活動の区別は困難。…現在の一般的職務権限の理論及び職務密接関連行為の考え方からすれば、このような場合には職務性を肯定することが論理的帰結」とした古田局長の論文を紹介し、「若い頃の正義感は偉くなると変わるのか」と痛烈に皮肉った。その上で、北澤議員は、「政治主導でやっていくには、このようなことをあらかじめ整理しておくべき」と提起した。

●政治は税の使い道厳しく見極めるべき

 最後に機密費問題を取り上げた北澤議員が、松尾元室長が各省の首相随行員への旅費差額分を着服していた疑いを質したのに対し、福田官房長官は「各省の首相随行員にも規定の旅費以外の補填分を支払ったと報告を受けているが、各省の発言を聞くと、実際には払っていなかったのかもしれない」と答弁した。

 北澤議員は「政治に税金の使い道を厳しく見極める姿勢がなければ、財政再建への国民の理解を得ることはできない。この機密費問題は政治が覚悟を示す大きなステージだ。予算修正で議会意思を国民に示す努力を怠れば国民は次の政治の問いかけには答えてくれない」とまとめ、質疑を終えた。

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