民主党は6日、日本国内でのテロ行為を起こさせないための対策を「国内テロ対策」としてまとめ、発表した。
取りまとめにあたったNC警察・防災担当特命大臣の枝野幸男衆議院議員と、総括副大臣の細野豪志衆議院議員が国会内で記者会見し、内容を説明した。
この対策では、まずわが国のテロ対策として最も重要なのは「情報収集と分析体制の強化と情報の一元化」であるとし、連絡義務を各省庁に課すなどの内閣官房による危機管理情報の一元化、民間の専門家の活用、内閣の情報収集機能の強化、警察庁の大幅な機能強化などが必要だとしている。
危機管理体制としては、米国のFEMA(連邦緊急事態管理庁)を参考に、内閣危機管理監の機能を強化し、情報分析や危機管理に関する権限を一元的に行う危機管理庁(日本版FEMA)を創設することを提言している。
また警察庁の全国の警備、即応体制を強化。機動隊、特に管区機動隊を効率的に配備し、重要施設警護に万全を期す。
海上警備体制では、SST(特殊警備部隊)を含む海上保安庁の体制を強化。また、同庁と海上自衛隊の連携を強化する。
攻撃を受けた場合特に被害が大きい原子力施設へのテロ対策は、施設内外を問わず警察庁の所管とし、すべての原子力施設を24時間警備する体制づくりを警察の責任で行う。
ハイジャック等の対策としては、航空保安を国の責任で行い、手荷物検査装置などの地上検査態勢や操縦室などの機内安全確保の予算を拡充。航空保安官制度の導入や、航空警察(航空保安庁)の設置を検討するとしている。
他に、出入国管理や、核・生物・化学兵器テロ対策、在留邦人・海外旅行者・在日外国人の安全確保、テロ資金やマネーロンダリング等対策、サイバーテロ対策もまとめた。
一方で、これらの対策の強化が、行政の肥大化や情報の過度の集中、国民の自由に影響を与える側面も内包しているため、それらに最大限に配慮しながら、具体的なできうる限りの対策をとるべきとしている。
会見で枝野議員は、「政府の対策は、各省庁ごとの対策の集約に過ぎず、全体ビジョンに欠けている。民主党の対策は、テロを起こさせないための予防にウェイトを置いている」と違いを説明。各部門会議でさらに検討して、来年の通常国会から法案提出をめざしたいと述べた。
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