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2001/04/04
<今国会2度目の党首討論>民主党と自公保の違い明らかに示す=鳩山代表
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●「死に体」森首相は論点はぐらかし・時間稼ぎに終始

 今国会2度目となる党首討論が4日午後、参議院第一委員室で行われた。民主党の鳩山由紀夫代表は、環境問題と財政問題にしぼって民主党と自民党の本質的な違いを明らかにした。退陣間近な森首相はなげやりになったのか、質問をはぐらかしたり、無関係な話を長々としゃべって時間稼ぎを繰り返し、議論を受けて立つことすらできなかった。

●環境問題で日本がリーダーシップ示せ

 最初に、鳩山代表は、アメリカが地球温暖化防止のための京都議定書からの離脱方針を打ち出したことについて、「環境問題に対する日本政府の意識は不十分」だとして、次世代・発展途上国・人類以外の動植物という「環境弱者」に配慮し、これまでの米国追随からヨーロッパとの強調を優先するべきとの考えを示し、森首相の意見を質した。首相は「米国とのみ協調し欧州をないがしろにする考えは持っていない。互いにみんなで協力しないと地球環境は守れない」などと一般論を振りかざすばかりだった。

 さらに鳩山代表は「COP6(気候変動枠組み条約第6回締約国会議)が成立しなかったのもアメリカと日本が頑固なまでに主張し、欧州の主張を十分に聞きいれなかったからだ」と指摘し、日本が真っ先に京都議定書を批准し、率先してリーダーシップを発揮すべきだと迫ったが、森首相は「川口環境大臣の海外からの評価は高い」などと話をそらしはじめ、「アメリカを除いてもやれないことはない」などと妄言を吐くばかり。

 鳩山代表が地雷防止のためのカナダの取り組みを例に挙げ、「環境問題は日本がイニシアチブを発揮し、世界の中で流れをつくることができる。優秀な技術も持っている」と迫っても、首相は「アメリカの理解を求めることに努力することが日本の一番大切な役割だ」などと述べるばかり。鳩山代表は「結局アメリカ追従の外交姿勢に過ぎない。未来に対する責任感があるかないかが、民主党と自公保の大きな違いだ」と強調し、話題を財政問題に移した。

●未来への責任感ない自公保政権

 鳩山代表は、「国と地方の財政は破たん状態だ。宮沢財務相が『財政は破局に近い』と言ったのは本音だ。景気最優先の論理は完全に破たんしたのではないか」として、名目GDP(国内総生産)が1%上昇したら税収がいくら上がるのかを尋ねた。森首相は質問には全く答えず、「引き続き景気回復に軸足を置きたい。経済財政諮問会議で予算編成を見直す中で新しいマクロ計画ができてくるだろうから、その中で財政健全化を進めていく。健全な経済状態に戻すことが今、一番大事だ」と相変わらず危機感のない応答。

 鳩山代表がさらに「名目GDPが1%が上昇すれば5500億円の税収増。3%では1兆6500円しか増えない。これを全額使って500兆円の国の借金を返済するのに何年かかると思うのか」と迫ったが、首相はまた答えず、「まず日本の経済状況を本格的な民需回復軌道にのせ、足元を固めなければ、税収もきちんとした数字ははじき出せない」と反論。鳩山代表は「なぜシナリオを作ることさえしないのか。財政健全化の道筋をどうして示さないのかわからない」と批判し、「いずれ国民の皆さんにもきちっとした道筋を示すことができるだろう」とする森首相に、「いったい何年間待たせるのか。国民の不安を解消するための勇気を持たないのか。自公保政権が財政規律に無頓着で、未来に対して無責任なことがはっきりした。民主党とは基本的な哲学が違う。民主党は景気回復の1ページ目は財政健全化だと考えている」と主張した。

 最後に鳩山代表は、「森政権に鎮魂の言葉を捧げたい」として、ノーベル文学賞を受賞したロシアの作家ソルジェニーツィン氏の「自己抑制は自由を得ている人たちが最も大事にしなくてはならない言葉であり、自己抑制が自由を得るために最も必要なことだ」という言葉を紹介。そして「自公保政権は自己抑制をなくし、結果として自由をなくした。民主党は自己抑制を大事にしながら、自由を獲得し、国民の信頼を取り戻す政治を行う」と力強く宣言し、討論を終えた。

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