民主党ネクストキャビネットの伊藤英成安全保障ネクスト大臣は24日、奄美大島沖で22日に発生した国籍不明の不審船事件について談話を発表した。
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2001年12月24日
東シナ海での不審船事案について(談話)
民主党 ネクスト・キャビネット
安全保障NC大臣 伊藤 英成
22日、東シナ海で発生した不審船事件に際し、まず、負傷された海上保安官に心からお見舞い申し上げるとともに、現場で対応された関係各位のご苦労に敬意を表したい。
今回の事案は、我が国及び周辺海域の安全確保上、毅然たる対応が必要な事態であり、99年の不審船事件への対応やテロへの脅威を踏まえると、海上保安庁等関係機関が執った措置について、一定の理解をする。わが国周辺海域において不審船が出没している事態は極めて問題であり、早急に再発防止策を講じるべきである。
他方、結果的に銃撃戦となり、不審船が沈没し乗組員が死亡ないし不明という事態にいたったことは、不審船の国籍や目的等についての情報や証拠の収集・分析を困難にするものであり残念である。海上保安官を負傷させたとはいえ、人道上の観点もある。行方不明者の捜索を継続するとともに、散逸した証拠の収集に全力を尽くすべきである。
今回の対応については、事前の停船・捕捉の可能性、海洋法条約と関連国内法上の関係、正当防衛と説明されている武器使用のあり方、官邸の危機管理体制の妥当性、海上保安庁と防衛庁及び外務省との連携等について、法的・制度的・態勢的な不備はないか、改めて検証していく必要がある。
今回の不審船沈没箇所が中国の排他的経済水域内でもあり、十分かつ慎重な外交対話が不可欠であり、今後とも東アジア地域の安全確保に向けて、周辺諸国と一層緊密な外交努力を行うべきである。
以上
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