民主党は6月5日、国会内で常任幹事会を開き、今年夏の第19回参議院議員選挙の比例代表選出選挙の候補者5人の公認を決めた。これで、比例代表候補は24名(現職5名・新人19名)となり、男性が14人・女性が10人となった。選挙区の公認は34名、推薦10名の計44名。
このうち、現職の佐藤道夫参議院議員は95年の参院選で初当選後、法律家の視点から「法律とは常識なり」「法の下の平等」を信念に活動を続け、国会での委員会で200回以上も質問にたって、厳しく政府与党に対峙してきた。数多くのテレビ、ラジオ出演や雑誌の連載など言論活動でも知られている。5月末でこれまで属していた二院クラブを離れ、民主党からの立候補を決意した。佐藤議員は6月6日付けで、参議院会派の民主党・新緑風会に入る。
また、女性候補が一挙に4人公認された。石川由美子(いしかわゆみこ)、神永礼子(かみながれいこ)、田原すみれ(たはらすみれ)、村木弥生(むらきやよい)の4人で、この日午後、党本部で合同記者会見を行った。
最初に、小宮山洋子広報委員長は、「民主党は公認候補者の男女比率を半々にするべく、市民の女性たちに立候補への道を開いてきた」と経緯を説明。佐藤敬夫選対委員長は「地域で自分のテーマをもって活躍してきた女性ならではの視点を国政の場で活かしてもらいたい」と述べ、話題づくりではなく、政治家としての今後に期待しての擁立であると強く主張した。
また、広中和歌子女性選対本部長は「時代は女性を求めている」とし、「決して政治のプロではない、新鮮な感覚で参加して、日本の政治を変えてほしい」と激励した。
4人の候補予定者はこのあと、「女性の元気で日本を変え隊」のキャラバン隊の一員として、さっそく有楽町・マリオン前で初めての街頭演説を行った。
石川由美子さんは、PTAやNPO活動に長年かかわってきた経験をふまえ、「子どもたちをとりまく環境がどう思うか」と切り出し、待機児童を抱える保育園の改善や、子どもたちに奉仕を強制しようとする流れの問題点、幼稚園と保育園を別々にする必要性はないかといった素朴な疑問など、子どもの現場に根ざした生きた言葉で訴えた。
続けて登壇した神永礼子さんは、「クォータ制の実現をめざす会」呼びかけ人とこれまで活動してきた経験を元に主張。「財政赤字を累積し続けてきたのは、男性主導で政治が動いてきた産物。ここにこそ女性の力を生かすべき」として、長期的な視野に立った政治改革には女性が欠かせないと主張した。
3番目にマイクを握った田原すみれさんは、県立養護学校PTA会長として、重度の知的障害をもつ子どもとの日常を話した。ある日出会った子どもたちが、偶然発した“ママ、この子人間なの”という言葉に愕然としたことを紹介し、「この言葉に象徴されるように、少数弱者の声は一般には届かない。ましてや国政には届かない。そんな思いを抱いて候補者となった」と語り、人権を確立されていない少数弱者の声を届けるために、この大きなチャンスを生かしたいと語った。
最後に演説した村木弥生さんは31歳。道行く若い女性たちに視線を向け、「私も昨日までみなさんと同じ立場だった」と開口一番訴え、同じ視点で政治に参加していくと主張。「若くても政治に無関心であってはならない」と熱っぽく訴えた。
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