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2001/06/05
「公文書の提出除外範囲広すぎる」平岡秀夫議員、民事訴訟法改正案の問題を追及
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衆議院本会議で5日、内閣提出の「民事訴訟法の一部を改正する法律案」に関する趣旨説明と代表質問が行われ、民主党の平岡秀夫議員が同法案の問題点を鋭く指摘した。

 平岡議員はまず、「法制審議会でのまともな議論もないまま、刑事訴訟関係書類を提出義務のない文書とするなど、公文書や官公庁が持っている文書をできる限り裁判所に提出しないで済むような制度にしようとしている」と、この改正法案の基本的な問題点を明らかにし、法案を作成した政府の基本姿勢を質した。

 続いて、「刑事訴訟に関する書類」「公務秘密文書」「自己使用文書」のそれぞれについて、具体的に提出義務除外の問題性を批判。刑事訴訟に関する書類については、一律除外が警察当局の犯罪捜査関係書類などをも含む恐れがあり、裁判における権利救済などの妨げになりかねないとして、基本的に提出命令の是非を裁判所の判断にゆだねる形にすべきだとした。公務秘密文書については、「公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがあるもの」という提出義務除外の条件は範囲が広すぎるとし、より客観的で限定的な基準の設定を求めた。

 さらに自己使用文書については、薬害エイズ裁判で重要な物証となった「郡司ファイル」を例に引きながら、個人的に作成されたメモや記録であっても公務を遂行するために作成し所持されている文書は文書提出命令の対象とすべきだとした。

 こうした平岡議員の追及に対して、答弁に立った森山法相は、「民事訴訟における関係者の名誉、プライバシーの保護」を盾に、刑事訴訟関係書類の一律除外の再検討について「必要でなく、相当でない」と否定。公務秘密文書についても、「提出拒絶範囲を拡大するものではない」とし、自己使用文書については、「個々の公務員の自由な意志活動を妨げることのないように」といった議論のすり替えによって提出義務からの除外を正当化した。

 質疑を通じて、政府改正案の動機が国民の権利確保・行使とはかけ離れたところにあることが、明瞭になった。

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