民主党の武正公一議員、原口一博議員は、4日の衆議院沖縄北方特別委員会で質問に立ち、北方四島支援事業をめぐる支援委員会問題、北方領土問題を中心に質疑を行った。
武正議員はまず、数々の疑惑がもたれる支援委員会の事業について、「行政評価法第7条に基づき、外務省の委員会への拠出政策について行政評価を実施すべきではないか」と質した。川口外相は、「日本の対ロシア政策に関する行政評価の中で行う」と述べるにとどまり、支援委員会への政策評価に消極的な姿勢を示した。
また武正議員は、北方領土問題について「四島一括返還」が政府のこれまでの方針であり、国民の願いであると指摘。にもかかわらず、外務省が過去10年、不法占拠された日本の領土にパイプライン、ディーゼル発電所の設置等、わが国の主権を侵す行為に加担してきたと批判。領土問題を混乱させた外相、外務省の取り組みに対し、「責任が厳しく問われなければならない」と述べた。
続いて質問に立った原口議員は、本年3月のロシア下院の公聴会において、日露間に領土問題が存在するとした1990年代のロシア指導部の立場を見直し、ロシア側の領土的譲歩を認めないとするプーチン大統領への勧告書が採択されたことに言及。川口外相に対し、「この勧告書の法的根拠はないと考えるが、外相の基本的姿勢は如何か」と質した。外相は、「ロシア政府と下院とでは立場が異なる。日露両国政府は四島帰属問題を解決し、平和条約を締結することを確認している」とし、勧告については「法的拘束力はない」と答えた。
また原口議員は、川口外相が2月の日露外相会談後にいわゆる「並行協議」を進めていくことに日露間で合意したと述べていることを取り上げ、3月のロシア下院でイワノフ外相が「訪日の過程で行われた平和条約に関する交渉は、いかなる新しい要素ももたらさず」と並行協議の合意を否定していると指摘。外相に対し、「今後、並行協議、平和条約交渉をどのように進めていくのか」と迫った。
外相は、「昨年の上海での首脳会議、2月の日露外相会議において、日本側から並行協議を提議し、ロシア側から反対はなかった」と答弁。原口議員は、ロシア側の消極的な姿勢に懸念を示すとともに、「国際法と正義に照らし、四島の主権についてロシアはわが国との間で解決する義務がある」と指摘した。
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