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2001/06/13
鳩山代表が小泉首相と2回目の党首討論「日本が率先して京都議定書批准を」
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 鳩山由紀夫代表と小泉首相の2回目の直接対決となる党首討論が6月13日、参議院第一委員室で行われた。議長役の会長は民主党・新緑風会の本岡昭次参議院議員。

 鳩山代表は外交問題と経済問題に焦点をあてて、論戦を挑んだ。

 まず、議論の冒頭で、ローマ・クラブのアウレリオ・ペッチェイ会長が著した「成長の限界」を紹介して、首相の認識を尋ねた上で、「地球は注意信号のような状況。これを青い地球に取り戻すための手段が京都議定書であり、アメリカが離脱を宣言したことは大変に厳しい話だ」と指摘。首相がリーダーシップをとって、日本が真っ先に批准を宣言した上で、COP6の再開会合に臨むべきだと求めた。これに対し、小泉首相は「アメリカの参加を求め努力をしている」と述べるだけだった。

 鳩山代表はさらに、「対人地雷禁止条約でもオタワ・プロセスでカナダや日本が批准したことによって、いやがるロシアやアメリカも最後に批准した」として、「京都プロセスのようなものをつくり、日本が真っ先に批准し、いやがるアメリカを世論の力で批准させるようにできないか」と提案。「どうも日本はアメリカの出方を待っているとしか思えない」と、首相の腰の引けた答弁を批判したが、小泉首相は最後まで「アメリカの態度はともかく、日本独自で決めるという判断はしていない」と煮え切らなかった。

 また鳩山代表は、田中真紀子外相が5月にアーミテージ米国務副長官との会談を直前に取りやめた問題を取り上げ、「外相就任前に、民主党議員などと連名で米国が京都議定書から離脱することに抗議する広告をワシントン・ポスト紙に掲載したことに、これにアーミテージ氏が強い不快感を示していたことが、ドタキャンの理由だった」と、外務省の公電を根拠に指摘。首相は「米側は広告に不快の念を示したという報告はいっさいない」と、こうした見方を否定した。鳩山代表は、「田中外相は京都議定書に対してはアメリカを厳しく批判しているが、一方で平沼経済産業相が、柔軟に見直すべきとの発言をしている。政府の見解はばらばらだ」と迫ったが、首相は「大臣の立場として必ずしも一致していない場合があるが、何ら心配はしていない」と開き直った。

 鳩山代表は、日米首脳会談の際に、ブッシュ大統領に対して「日本は先に京都議定書を批准して、待っているから、ぜひアメリカも参加してください」と小泉首相から述べるように進言。しかし、小泉首相は「何を言うべきかはこれからじっくりと検討したい」と述べるにとどまった。鳩山代表は、「この問題でアメリカに遠慮する必要は全然ない」と重ねて迫った。

 次に、ブッシュ米大統領の新たなミサイル防衛構想について、鳩山代表は「日本とアメリカの防衛を一体化しようという提案で、日本の防衛議論の変更を余儀なくされる可能性がある。軍拡競争につながる懸念がある」として、首相の見解をただした。これに対し小泉首相は、「盾と矛の関係。軍拡の可能性がないとは言えない。世界の安全保障に大きく影響を与えるので、慎重に研究、検討する価値がある」と答弁。前回は「実現したら安全保障上の考え方は一変する」などと踏み込んで評価したのに比べると、ぐっと慎重姿勢になったが、答弁ぶりからは首相がどれだけ問題を把握しているのかどうかは今ひとつ明らかにされなかった。

 鳩山代表は、「アメリカの構想に日本が自動的に組み込まれることは気がかりだ」として、慎重な姿勢を強調。「このような問題でも、京都議定書の話と合わせて、何でもアメリカの言うことを聞かなきゃならないと、遠慮する必要はない。日本の国の意思をもっと強くもっていただきたい」と求めた。

 最後に、鳩山代表は、経済問題に話題を移し、「小泉首相の構造改革の主張は正しいがマーケットは反応していない」として、その原因を首相にただした。しかし、小泉首相は「一言でこれは原因だとは言えない。経済は生き物である」とはぐらかし、「構造改革なくして景気回復なしという目標を掲げた限りは、精一杯努力をしたい」との精神論を述べるばかりだった。

 その言葉を受け、鳩山代表は、「理由は二つある。不良債権処理や規制改革に対して具体的なメッセージが出ていないこと。もうひとつは、総理の後ろにいる方々だ。麻生政調会長はすでに補正予算を組むなどと信じられない話をしている」と批判。「あなたの後ろにゾンビのような、改革に抵抗する人たちがいるからこのような状況になる」と断じて、討論を終えた。

 党首討論を終えて鳩山代表は、「今回はだいたい自分の頭に描いていたシナリオ通りに進めることはできた。私なりに冷静に、民主党の主張を伝えることができたのでは」と感想を語り、「せっかく国民の皆さんの政治への関心が高まっているわけだから、追及してとっちめるというよりも、小泉さんや自民党と、民主党との考え方が同じなのか、違うのかを皆さんに見ていただくことが何より大事だ」と、党首討論の意義を語った。

 その上で、京都議定書批准に小泉首相が消極的だったことについては、「誰が何と言おうと、私たちが真っ先に批准する、という姿勢を打ち出すことこそが、国民の求める『小泉流』ではないか」と残念がった。

関連URL
  党首討論の議事録
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=8791
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