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2002/06/07
【衆院事態特】新潟公聴会で平和構築の重要性など議論
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 衆議院武力攻撃事態特別委員会は7日、有事法制関連法案に関する地方公聴会を新潟市内で開いた。民主党からは筒井信隆、桑原豊両議員が参加した。

 「武力攻撃事態法案は武力攻撃事態におけるわが国の平和と独立、国および国民の安全の確保に関する法律となっている。しかし、結論から言うと、この法案によってわが国・国民の平和と安全は近い将来、不安定かつ危機に見舞われる可能性がある」。民主党が推薦した新潟国際情報大学専任講師の佐々木寛氏は、専門とする安全保障理論の基本原則に基づいて指摘した。

 同時に、佐々木氏は「有事において国民・地方自治体は一方的に協力を要請されるが、それによってシビリアンコントロールや民主主義そのものが危機にさらされてしまう」と主張。また、事実上、米国の軍事戦略と一体となってきた日本が有事を主体的に判断できるかは疑問だとの見方を提示、法案に反対する立場を表明した。

 意見陳述者への質疑に立った筒井議員は、「有事法制関連3法案はいい加減といわざるを得ない」と指弾。武力攻撃事態の認定についても、日本国領域内の武力攻撃に限定していない点を問題視し、日本の安全保障構想を根底から揺るがす、危険な法律と言わざるを得ないとした。また武力攻撃の「発生」だけでなく「おそれ」「予測」まで含めることで有事概念そのものを変えようとしている点を問題視し、「予測」の段階で武力攻撃事態の認定をした場合、相手国への宣戦布告となってしまう可能性があるとし、「『予測』は除くべき」との考えを示した。

 桑原議員は、国を力あるものにしていく上では外交が重要だと指摘。極東アジアの前線でもある新潟などの平和・安定を確立するのは政治の役割とし、外交による安全保障への視点が大事だとした。これに対して佐々木氏は、21世紀の外交は主権国家のみが行うものではなく、自治体・民間・NGO・大学間外交など、下からの外交が平和の構築につながると指摘。「この法案はそうした可能性を摘み取ってしまう」と分析した。

 また、桑原議員は武力攻撃事態法案が自治体の協力を「責務」としながら、その具体的内容が明らかになっていない点、また国民保護法制を先送りしている点など、法案の不備を改めて指弾した。

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