民主党の川端達夫議員は10日、衆議院武力攻撃事態特別委員会における非核三原則見直し発言問題の集中審議で質問に立ち、福田官房長官に対して「政府の報道官としての責任を果たしていない」と厳しく追及した。
川端議員はまず、5月31日の福田官房長官の発言が事実かどうかを質した。官房長官は「時代状況の変化によってさまざまな国民的議論がありうる、と言ったもの」と答えた。さらに「(核を持つ、持たないは)国民が決めることだとは言った。今の若い記者は日常このような議論をしていない。噛んで含めるように言わなければいけないのか」と発言。これに対して川端議員は「官房長官は政府の中枢、報道官。真意が伝わっていないのなら、報道官としての役割を果たしていない。世界から核がなくなるように、唯一の被爆国として行動してきたのが日本。許されない発言」と厳しく批判した。
続いて川端議員は「非核三原則は不動の国是。情勢が変わり、国民世論で、という認識ではない。政策判断を超えている。評論家、学者だったらいいが、その発言の瞬間は臨時総理でナンバー・ワン。自分の言葉の重さを感じていない」と追及。官房長官は「政策の変更は私の頭にはない。総理にもない」と従来の答弁を繰り返した。
川端議員は「将来も日本が核を持つことはありえない。政治家は絶対に国民をそういう気にさせてはいけない。核を持てば不拡散条約からの脱退となり、孤立し、燃料・技術の提供が受けられなくなり日本は国として存在できない。情勢云々は大変な発言」と官房長官の発言を厳しく批判した。
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