民主党の『次の内閣』(ネクストキャビネット)は、17日の会合で「経済財政に関する基本方針」をとりまとめ、発表した。基本方針は、20日から始まる通常国会の焦点の一つである経済論戦をにらみ、当面の経済財政運営についての民主党の基本的な考え方を「『予算の構造改革』で将来への期待と安心感を」「規制改革、NPO支援で民間の活力を」「適正な為替レートで公正な国際競争を」の3つの柱で示している。
記者団への説明のなかで枝野幸男政策調査会長は、「予算の中身を変えることこそが経済再生の一番の柱だ。これまでの自民党政権が利権政治から抜け出せず、投資効果や波及効果のないところに資源を配分して事業に巨額の税金がつぎ込まれてきたことが最大の問題だ」とその狙いを説明。基本方針では、予算の構造改革の重点項目として、(1)高度成長期から少子高齢化社会、成熟社会への時代の移り変わりに対応した新たな潜在的需要を掘り起こす、(2)年金・医療・介護などの施策への予算の重点配分、将来の増税につながる国債依存財政からの早期脱却など将来不安の解消を図る、(3)特に緊急な対応を要する雇用問題の解決に向け、多くの雇用につながる福祉サービス分野などに優先的に予算を配分し、仕事を生み出す、(4)紐付き補助金による集権的・統制的・画一的な対策でなく、一括交付金により地域の個性を生かすシステムを構築する、(5)新たなビジネスにつながりうる中小企業向け金融について、必要な資金を循環させるシステムを作ると同時に、経営責任の明確化を前提に、不良金融機関への公的資金の注入による一時国有化を断行し、金融システム全体の再生を急ぐ−−の5点を挙げている。
基本方針はまた、国民、NPO、地域、民間企業等の自由な活動を最大限に保障し、その能力を最大限に発揮できる環境・システムを整備するため、大胆な規制改革を速やかに実行すると同時に、税制を中心とする重点的なNPO支援制度を確立するとしている。為替レートに関しては、「適正な為替レートの実現」という抽象的な表現にとどめているが、枝野政調会長は「特に対(中国人民)元レートが高すぎる」との見方を示した。
民主党『次の内閣』は、これらを踏まえ、各論についても早急に整理し、民主党としての予算案の策定につなげていく方針。
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