衆議院厚生労働委員会で与党が医療制度改革関連法案を強行採決したことを受け、野党4党は13日正午から国会内で緊急集会を開き、民主党の釘宮磐・同委員会筆頭理事の状況報告の後、各党幹事長・書記局長が怒りをこめて抗議の意思を表明した。
まず、釘宮筆頭理事が現場の状況について「抜本改革を先送って国民に負担増を求めるこの法案について、昨日の宇都宮・名古屋での地方公聴会では何と自民党推薦の陳述人からも『抜本改革をやるのが先ではないか。国民をだましてはいけない』との指摘があった。特に今回の問題は、(サッカー・ワールドカップの)チュニジア戦を控えてのドサクサの中でやってきたこと、とにかく重要法案を会期内に一つくらい上げておこうということなど、姑息以外の何物でもない。採決は、委員長が何を言っていたかも分からない状況であり、採決無効を訴え断固たる措置をとっていく」と報告した。
民主党の菅直人幹事長は、「もともと小泉首相は、抜本改革を必ずやると言っていたが、それをすべて後回しにして『とりあえずお金が足りないから』と負担だけ国民に押しつける法案を出してきた。与党側は、防衛庁リスト問題の資料隠蔽の暴挙に続いて、今日は国民生活に直結する健保法改正案の強行採決をしてきた。ぜひ廃案を目指して頑張ろう」と力強くアピール。
自由党の藤井裕久幹事長も、「廃案をめざそう。基礎的な社会保障は社会の基盤。それを勝手なことをやられたら、社会そのものがゆらぐ。与党には、抜本改革をやる気が全然ない。2割負担を強行して景気を悪化させた5年前の反省もない。今の制度ではもう存続し得ないことは明らか」と続けた。
また、共産党の市田忠義書記局長は、「小泉内閣がいかに国民の声に背を向けた内閣であるかはっきりした。政府が重要法案といっている4法案の中でも健保法は圧倒的に反対の声が強い法案。事実の隠蔽とうその報告を国会に行う政府・与党に有事や医療を語る資格はない」と発言。
最後に、社民党の福島瑞穂幹事長が「自民党をぶっこわすと言って登場した小泉は国民生活をみごとにぶっこわしている。国民無視、国民不在、国民をなめきっている。与党は統治能力を失っている。全部きれいさっぱり顔洗って出直せ。会期延長はいらない」と締めくくった。
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