法務大臣 杉浦正健殿
「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」についての申し入れ書
民主党「次の内閣」法務担当
千葉 景子
民主党『次の内閣』ネクスト法務大臣の千葉景子参議院議員は12日夕刻、平岡秀夫・高山智司両衆院法務委理事、簗瀬進参院法務委理事とともに法務省を訪れ、杉浦正建法相に下記の申し入れを行いました。
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標記法案については、国際組織犯罪防止条約の批准のための国内法制化として国会提出され、衆議院法務委員会で昨年10月以来計14回35時間20分にわたって審査が行われましたが、最終的に質疑終局に至ることなく今国会の会期末を迎えることとなりました。この間、与党と民主党から交互に計3通の修正案が提出され、実務者協議を踏まえて最終的な修正合意案の提出準備も進めてきましたが、与党と法務省・外務省との足並みの乱れから、合意案に沿った決着が頓挫したことは貴職もよくご存じのことと思います。
こうした経過を踏まえると、今国会会期末にあたり、同法案をただ漫然と継続審査にしてみたところで、新内閣のもとでこれまでと同様の混乱が繰り返され、いたずらに時間が浪費されるだけとなることは明白であることから、下記の点について貴職が賢明なご判断を下されるよう申し入れます。
記
1.政府案については政府自らこれを撤回すること。この場合、同条約及び同条約の立法ガイド(2004年)を改めて精査し、わが国における国内法制化の必要性についても再検討すること。
2.上記再検討の結果として、わが国において何らかの国内法制化が必要であるとする場合でも、「参加罪」又は「共謀罪」方式のいずれを選択するかを含め、「自国の国内法の基本原則に従って」(同条約34条1)法律案を策定すること。
3.平岡秀夫衆議院議員の質問主意書に対して「かかる規定(同条約34条2)に留保を付することはできない」、「共謀罪の対象犯罪について更に限定することは、国際組織犯罪防止条約上できない」とした平成17年11月11日付けの政府答弁書については、上記2点の検討を踏まえて、必要に応じ、閣議に諮って訂正すること。
以上
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