来日中の韓国・民主党の金泳鎮議員らが20日、民主党本部を訪問し、菅直人代表と懇談した。金議員は12月の韓国大統領選挙で次期大統領に選出された盧武鉉氏の側近で、日韓キリスト教議員連盟の韓国側代表も務めている。懇談には、民主党から日韓キリスト教議員連盟日本代表の土肥隆一衆議院議員、近藤昭一衆議院議員も同席した。
金議員は冒頭、「確固たる指導力を持った菅さんが民主党の代表に就任されたことは、何より日本の国民が金権・派閥政治の改革を熱望していることに応えたものだと思う。盧武鉉氏の勝利も同様の韓国国民の願いによって実現したものだ」と挨拶。菅代表も「そうした改革を実現するために、次の総選挙に勝ち、盧氏に続いて民主的政権をつくりたい」と応えた。
金議員は、今月14日の小泉首相による靖国神社参拝について「靖国神社はA級戦犯が祀られているところ。21世紀の和解の時代に、かつて苦痛を受けたアジアの国々の人々にさらに苦しみを与えるものだ」と強く非難。参拝をやめるよう求めた韓国キリスト教議員連盟の要求書を菅代表に手渡し、日本政府に伝えてほしいと要請した。菅代表は同意し、民主党としても、(1)A級戦犯が合祀されている場所に国家の責任ある立場で参拝することはかつての戦争の責任をあいまいにする、(2)参拝は憲法の政教分離の原則にふれる恐れがある、という2点で首相の靖国神社参拝に反対していることを説明。「せっかく新しい日韓関係ができつつあるのに、3度目の靖国参拝を強行してそれに逆行している。一国の総理として無責任だ。国会でも厳しく追及していく」と述べた。
また、同席した韓国・ハンナラ党の李在昌議員は、米国のイラク攻撃問題、北朝鮮の核開発問題に対する民主党の立場について質問。菅代表は、国連安全保障理事会の新たな決議がないままでのイラク攻撃には反対であること、核開発中止と日本人拉致問題解決の両方の実現を日朝国交回復交渉再開の条件とすべきこと、などの考えを説明した。
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