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2001/11/12
<補正予算>在外公館渡切費の実態あばく〜五十嵐文彦議員が質問
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平成13年度補正予算を審議する衆議院予算委員会で、民主党・無所属クラブの3番手として、民主党ネクストキャビネットの金融担当特命相、五十嵐文彦議員が質疑を行った。冒頭「半年前に、“小泉改革は蒲焼きの匂いだけ”と申し上げたが、その状況は今でも変わっていない。むしろ、抵抗勢力のウツボが増えてより活発になった」と前置き。

 まず小泉内閣の改革先行プログラムについて、「検討開始という項目がずいぶん出てくるが、“検討”“見直し”は官庁言葉では“やらない”ということ。形を整えるやり方では改革は進まない」と切り込んだ。

 竹中経済財政担当相はいくつかの実施例を挙げ、「改革は粛々と進行している」と胸を張ったが、五十嵐議員は「わずかにやっていることだけ答えて、私の疑問に答えていない」と反論。また、「行革を担当する主要大臣が特殊法人改革は一つか二つやればいいと漏らしている」と指摘したが。小泉首相は「誰がそんなことを言っていたのか。一番難しいものからやる」と声を張り上げたが、五十嵐議員は「実際は激しい抵抗にあっているではないか」と、語調だけは勢いのある首相の答弁に首をひねった。

 経済政策に関して、五十嵐議員は、「塩川財務相は、マイナス成長にしないとサミットなどで国際公約のように言っているが、かたや経済の停滞を招いても構造改革をしなければならないとも言っている」と指摘し、内閣の統一見解を質した。小泉首相は「マイナス成長だろうがプラスだろうが構造改革の手綱を緩めることはない」と答えたが、その後「世界経済の状況でいくら努力してもできないこともある」とややトーンダウン。

 五十嵐議員は、塩川財務相の「わが国経済は欧州からは、低成長だがそれなりに安定していると見られている」との答弁に、「低空飛行で安定しているのはたまたまラッキーなだけ。米国が国債を出さなくなったので日本の国債が買われている。日本の金融機関が、国債を買う以外に他に有効な投資先を見つけられないから買っている。危うい均衡だ」と指摘し、量的拡大だけの財政出動はするべきではないと主張した。

 また、五十嵐議員は、日本の国債が海外の格付け機関に年内に格下げされるとの懸念を示し、「2次補正で大きな国債増が行われれば、さらなる格下げがありうる」と警告。その際に、約70兆円の国債を保有しながら、リスクヘッジを行っていない日銀に対する信用や日本の通貨に対する信認が大きく疎外される危険性を指摘した。

 不良債権問題については、99年3月のいわゆる健全行への資本注入を振り返り「民主党が主張したように、一斉強制検査をして良い銀行・悪い銀行を分け、資産査定をきちんとして、経営責任をとらせるべきだった。政府は後から責任をとらせることにして、厳格な査定も行われず、健全行という建前で手を挙げさせた。結果、非常に甘い不良債権対策になってしまった」と振り返り、柳沢金融相の責任を追及した。しかし金融相は弁明に終始し、自らの責任には全く言及しなかった。

 五十嵐議員は、外務省が在外公館に運営経費として支給している渡切費(わたしきりひ)を取り上げ、総額78.9億円、定員50名以上の大規模公館で平均役1億4300万円、定員20名前後で4000万円が支給されている実態を質疑で明らかに。さらに、外務省の大臣官房会計課が作成した「在外公館経理と公館長、出納官吏の心得」で、多額の繰り越し金を生じた場合には、ソファーや椅子の張り替え、カーペットのクリーニング、規格外の食器の購入、事務所や公邸の庭の大型清掃などをすることを列挙し、「無理にでも使い切るよう指示している実態を示し、「とんでもない話だ」と強く批判した。

 田中外相はこれを受けて、「平成14年度予算に計上しない方向で事務的に検討している」と述べ、来年度から廃止する方針を明らかにした。

 外相はさらに、「私の責任で渡切費や諸謝金についてはしっかりとチェックする」と強調したが、五十嵐議員は「外務省はとてもそんなどころではない」と苦笑し、下のものが従わないのも外相の責任だ。外務省をしっかりと把握すべき」と忠告。最後に小泉首相に外務省人事のあり方を見解を求めたところ、首相は「省内の人事は、大臣が事務次官はじめ部下とよく相談して、外に漏らすものじゃない。人事は一生を左右するものだから、よく考えて、省内協調態勢を取るのが大臣の責任」と外相に苦言を呈した。

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