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2001/11/15
<参院補正予算審議>「外務省改革の期待に応えるために官僚の力うまく活用を」〜小宮山洋子議員が外相に助言
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平成13年度補正予算3案を審議する参議院予算委員会で15日、民主党・新緑風会の小宮山洋子参議院議員(NC環境大臣)が質問に立った。

 小宮山議員は冒頭、この日の産経新聞朝刊が「田中外相がイランのハラジ外相との会談(11月1日)で、米軍などのアフガニスタン空爆の中止を求める考えを示していたことが14日わかった」と報じたことについて、「事実としたら政府方針とは異なる」と田中外相に事実確認した。田中外相は「そうしたことは断じてない」とこの内容を否定。小宮山議員は「海外要人との会談の内容が漏れることがたび重なると、海外からの日本に対する信頼が失われる」と、官僚などの意図的リークではないかとさらに追及した。これに田中外相も「どうしてタイミングがずれて政局がらみでそうしたことが出るのか奇異に感じる」と答えたが、肝心のリーク疑惑については「マスコミには正確な記事を書いてほしい」と述べるだけで、責任の所在に言及するのは避けた。

 小宮山議員は、「田中外相が外務省を改革することは多くの国民も期待し支持しているし、私も応援したい。しかし官僚を敵に回すだけではなく、その力を活用してうまくやる方法はないのか」と、“日本には外相がいない”と外国から論評される事態や、官僚と外相とのトラブルばかりが報道されることに危惧の念を示した。

 続いて、小宮山議員はCOP7で京都議定書の運用ルールとなる法的文書に最終合意がなされたことについて、日本が自国の利益のために合意を遅らせたと非難されていることを取り上げ、どうしてこうした対応になったのかを質問。川口環境相は「京都メカニズムの不確実性を排し、使えるようにすることが重要と考え行動した」と答弁。さらに「主張が受け入れられたのだから、日本はすぐに批准するという歯切れのいいメッセージを期待したが、直後の総理談話ではひとことも触れられていない」と政府の方針を質したが、答弁に立った福田官房長官らは「準備を進めている」と異口同音に述べるだけだった。

 小宮山議員は、日本がEUから大幅な譲歩を引き出した「森林吸収源」について、「科学的な根拠が極めてあいまい」として、人為的な削減にウェートを置くべきと主張。また、新規に13基を建設するとしている原子力発電に頼りすぎた計画を安全性などの観点から問題視したが、政府側は「環境保全を図りながらエネルギーの安定供給を確保するには原子力の導入は不可欠」と答えるだけだった。
 
 小泉首相が掲げた「保育所の待機児童ゼロ作戦」に関連して、小宮山議員は「保育所の公設民営を進めることで保育の質の切り下げになるとの不安が起きている」「これまで各自治体が上乗せしていた基準が、民営化で実質的に切り下げられているケースもある」と指摘。坂口厚生労働相は「最低限度をわれわれは決めているわけで、その中でそれぞれの地域で考えていただくしかない」と言葉を濁した。

 最後に小宮山議員は選択夫婦別姓などの民法改正について、森山法相、坂口厚労相、福田官房長官に前向きな取り組みを求めて質問を終えた。

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