衆議院予算委員会で一般的質疑が行われた24日、民主党・無所属クラブの細野豪志議員は、八戸市民病院の工事をめぐる大島農水相の宮内前秘書官の公共事業口利き疑惑をあらためて取り上げるとともに、同工事受注業者から農水相への献金が公職選挙法で禁じられた「特定寄付」にあたるのではないかと厳しく質した。
宮内前秘書官については、昨年、週刊誌の報道などにより、口利きの見返りで得た金銭を東京・世田谷の自宅の取得資金に充てた疑惑が浮上。また、国会での民主党などの追及により、住宅取得資金のうち実母からの1500万円の贈与、義父母からの計1050万円の贈与・相続について、贈与税・相続税を脱税していたことが判明。さらに、コンサルタント会社社長A氏側や工事関連会社から姉や妻名義で「役員報酬」など毎月計20万円前後を受け取っていたほか、A氏の会社から妻名義で毎月8万円の「給与」を受け取っていた疑いも持たれている。
細野議員は、これらについて大島農水相にその後の調査結果を報告するよう求めたが、大島農水相は「前秘書には相当厳しく質したが、(これ以上)答えるすべはない」とし、従来通り脱税や「役員報酬」など一部の事実を認めるにとどまった。細野議員は、この答弁を、「秘書がこうやっていろいろな企業からおいしい思いができる。国民が聞いたら泣くと思いますよ。これが自民党政治の本質だとすると、大変なことだ。また、それを『何もおかしいことではない』と答弁するのは、私の感覚からすれば、異常だ」と厳しく批判した。
細野議員はまた、大島農水相が昨年11月の参議院農水委員会で、八戸市民病院が建った年に同相への政治献金が著しく増えていることについて、「この年に選挙があり、政治活動が活発になったから献金が増えた」と釈明したことを取り上げ、「(この釈明通りとすれば)これは『選挙に際し、選挙に関する事項を動機とした寄付』にあたり、公職選挙法に違反するのではないか。あっせん利得(罪の適用)を逃れるために公選法(違反)を意識せずそのように答弁してしまったのではないか」と追及した。これについて見解を求められた片山総務相は「個別事案については答えられない」と逃げ、大島農水相は「私自身があちこちに寄付をお願いしたことはない」と釈明するのが精一杯だった。
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