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2002/06/20
ボツワナ発言問題で経産相に抗議の申し入れ
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 米国の格付け会社・ムーディーズが日本国債格付けを2段階格下げしたことに関連して、平沼赳夫経済産業相が自民党秋田県連主催の講演会で「けしからん話で、日本はボツワナより下だという。ボツワナにはODAで援助している。ボツワナの人口の半分はエイズにかかっている」等の発言を行った問題で、民主党の鳩山由紀夫代表、家西悟衆議院議員ら5人の議員が20日午前、経産省の大臣室を訪ね、平沼経産相に抗議の申し入れを行った。

 家西議員は、「私自身が薬害エイズの被害者、当事者である。今回のムーディーズによる国債の格下げとボツワナで都市部の人口の半分がエイズに感染しているということの間には何の関係もない。国会の関係委員会など公式の場で発言を撤回・謝罪することを求める」「世界で4000万人以上がHIV感染やエイズの発症に苦しんでおり、将来の各国のGDPの低下、世界の食糧危機をもたらすとさえ言われている中で、むしろ政府が一丸となってエイズに苦しんでいる国々への支援を強めるべきだ」などと述べ、要求書を平沼経産相に手渡した。

 これに対して平沼経産相は、「家西議員の指摘する通り。私の意識の中にエイズやボツワナに対する偏見はなかったが、私の発言によって患者の皆さんなどを大変傷つけたのは事実。記者会見では『不適切な発言で不快な思いをさせた』と撤回・陳謝することを申し上げたが、国会の委員会等で陳謝すべきということであれば、ぜひそうしたい」「実は、ボツワナのエイズ感染率などについて詳細な知識を持っていたわけではなく、たまたま数日前の新聞の経済面のコラムに出ていたことが頭にインプットされ、発言してしまった」と自らの不明を深く恥じるとともに、近く国会の関係委員会などで公式に陳謝する意向を表明した。

 家西議員はまた、来年の環太平洋・アジア地域で開かれるエイズ問題の国際会議に、経産省としても世界経済・食糧安全保障などの観点から積極的な支援の取り組みを行うこと、HIV患者団体などからの抗議があった場合には大臣自ら面会して謝罪を行うことなどを求めた。平沼経産相は、国際会議について「経産省としてもできる限り支援させていただく」と約束するとともに、患者団体などとの面会についても誠実に対応する意向を示した。

 鳩山代表は、「これを機に、大臣がエイズ問題に前向きに対応していただけるよう期待する」と述べ、会談を終えた。

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