民主党の3番手として質問に立った渡辺周衆議院議員は、25日付けの英紙が、テロ組織アルカイダがソマリア、スーダン、イエメンなどで組織の建て直しに入った可能性が強まっていると米英両国の情報筋が伝えたと報道したことを元に、政府の認識を質した。
福田官房長官が「米英両国からの発表はない」と否定したのを受けて、渡辺議員は、具体的国名を挙げないまでもシュミレーションを行っているか否かを質問。福田長官は「現在、具体的な話は行われていない」と答えた。
それに対して渡辺議員は「米国のブッシュ大統領が“テロリストとそれをかくまう国は区別しない”と明言しているからには、この情報が確かであれば米国は攻撃対象国を増やすことになる」と指摘。「そうなった場合の検討を政府は行っていないのか」と重ねて追及したが、政府側はその可能性をあくまで否定した。
渡辺議員は、さらに「米国筋は1月下旬にはこの3国を攻撃する計画があるという。それに対して政府が何ら考えていないのか」と迫った。福田長官は、「アフガニスタン以外について検討する状況にはない」と答えたのに対し、渡辺議員は「可能性についての検討は当然あるはず」と食い下がった。福田長官は「米国が活動することとすべていっしょではない。日本として自主的に判断して決める」とだけ答えた。
続いて渡辺議員は、イラクへの対応を質したのに対し、中谷防衛庁長官は「米国がどういう目的で攻撃をするかはよく注視しなければならないが、国連憲章を逸脱する範囲で攻撃することは想定しがたい」とし、米国が国連から認められている個別的自衛権の行使の範囲内で行動するケースであれば、「日本の支援はありうる」とした。
渡辺議員は「テロの除去ということになれば、証拠を明らかにする必要がある」と指摘。「イラクに対して米英両国が何らかの行動に出る際は明確な証拠の提示が必要不可欠」と強調し、日本政府として証拠の提示を強く要請すべきと主張した。
渡辺議員はテロ根絶に向けての日本の立場について、「米国が提示した情報を納得して行動する場合でも、“自動参戦装置”のような形にならないために、日本は自主性を発揮する必要がある」と強く主張した。そうした立場から、「米国がアフガニスタン以外の国に対して攻撃に踏み切った際、日本に支援を要請してきても、NOということもあり得るのか」と迫り、福田長官から「それもあり得る」との答弁を引き出した。
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