参議院予算委員会で29日、02年度補正予算に関する質疑が行われ、民主党・新緑風会のトップバッターとして、辻泰弘議員が質問に立った。
辻議員はまず、補正予算への都市基盤整備公団補給金の計上について質問。予算手当の必要があらかじめはっきりしているにもかかわらず、過去20年にわたって本予算に計上してこなかったのは予算措置のあり方として問題だ、と追及した。扇国土交通相は「決算までの間に公団の経営努力による縮減が期待できた」などとしたが、辻議員は「当初予算で組めるものを補正に回すことの理由が示されていない。財政のありのままの姿を示す上で問題だ」とさらに批判。小林財務副大臣は「不充分だったと言えばそうかもしれない」と認めた。辻議員はさらに、同公団の独立行政法人への移行に伴い、赤字国債による平成13、14年度分の補給金を16年度以降5年間で予算から返済するという財務省の方針について、「負担のつけ回し、隠れ借金になる」と指摘し、どのように財政措置するかを法律ではっきり示すよう求めた。
次に辻議員は、政府のセーフティネットの具体策をめぐって質問。まず、昨年11月に連合が実施したアンケートの結果を引用しながら、国民健康保険法77条に規定された国民健康保険料の免除措置が失業者に対して十分に適用されていない現状を指摘し、対応を求めた。坂口厚労相も対応の必要を認め、市町村に働きかけを行うことを約束した。また、退職者などに適用される任意継続被保険者制度については、保険料の納付が期限を1日でも過ぎると自動的に資格がなくなるなど「冷たい」制度になっているのではないか、と問題提起。厚労相は「多少のことは考えてもいいのではないかと思っている」と述べ、制度の改善を検討する意向を示した。加えて辻議員は、未払い賃金の立替払制度についても、立替払いの対象の拡充や処理の迅速化を求めた。
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