民主党の福山哲郎参議院議員は1月29日、予算委員会で質問に立ち、ハンセン病の非入所患者と厚生労働省との協議、国連への人権関連報告書提出問題、補正予算の雇用対策実態などについて質した。
福山議員はまず、ハンセン病非入所者(患者・元患者で療養所に入っていない人)に対する支援問題を取り上げ、「ハンセン病問題対策協議会の座長である副大臣が患者と会わないのか」を質した。木村副厚労相は「事務方が実態を把握すること、十分につめることが必要」との答弁を繰り返した。福山議員は「そうした対応は小泉首相が控訴を断念した時の判断と全く異なる」と政府の対応を批判した。
また、人権擁護法案に関連して福山議員は、国連人種差別撤廃委員会への報告書提出の見通しについて「1月までに間に合うのか」と質したが、川口外相は「言い訳にしかならないが、物理的な理由でパンクしている。できるだけ早くする」と作業の遅れを認めた。また、森山法相も「残念ながらできない」と報告書の提出が期限までに間に合わないことを明確に認めた。
福山議員は、補正予算の雇用対策に関連して、昨年の総合対策の中での退職前長期休業助成金、建設業労働移動支援助成金の利用見込みと実態について質した。坂口厚労相は「退職が見込み2500人、実績11人、建設が見込み1万人、実績29人」と全くの見込み違いであったことを認めた。
さらに福山議員は、補正予算における法務省関連の構造改革推進型公共投資予算のうち、環境問題等緊急対策費298億円が、実は刑務所の増築費となっていることを指摘。「これがなぜ環境問題対策なのか」と鋭く質した。森山法相は「治安対策のうちの環境で、施設の増改築を行う」、塩川財務相も「ものの考え方の違い。地域の安全を確保することで、環境も良くなる」と苦しい答弁に終始。政府の対策がここでも名目だけとなっていることが明らかになった。
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