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2003/01/30
菅代表、高卒予定者の就職活動の状況を視察
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民主党の菅直人代表は30日、不況の影響で高卒予定者の就職率が低迷している現状を把握するため、東京の中野サンプラザで東京労働局・都内各ハローワークが主催した「ラストスパート! 高校生の就職応援します〜高校生の就職面接会パート2」会場を視察するとともに、東京・渋谷にある30歳未満の学卒未就職者やフリーター等の求職者を対象とした「ヤングハローワークしぶや・しごと館」で求人・就職状況について関係者や職を求める若者たちの話を聞いた。

 38社分の事業者ブースが並ぶ中野サンプラザ13階の高校生就職面接会場を訪れた菅代表と城島正光総合雇用政策特命担当ネクスト大臣、長妻昭、阿久津幸彦両衆議院議員は、ブース間をまわって事業者の求人状況について質問。その後、「何とか思う仕事が見つからないかと思って来てみた」という農業高校の2人の高校生と引率の先生に話を聞いた。

 先生は「わが校への求人情報は昨年と比べ100件以上の減」と、深刻な現状を紹介。高校生たちは“学校で勉強したことを活かす仕事につきたい”との思いで就職先を探してこの会場を訪れたが、求人状況の厳しさを目の当たりにして、ここはいやだけれどもこれは考えてもいいかなと消去法で選択せざるを得なくなっている、と語っていた。菅代表からは、川辺川ダム建設問題で視察に訪れた五木村で、環境保全に関わる仕事等が求められていると紹介。「そうした求人があったら、現地へ行くか」との問いに、高校生たちからは「やってみたい」といった言葉が返ってきた。

 視察を終えた菅代表は「生徒さんが希望する職種、学校で学んだ内容とマッチする仕事が少なくなっている実情を聞いた。また、新卒者対象なので、常雇い的な雇用を募集しているのかと思ったが、例えば半年雇用して、適任であれば常勤に切り換えていく準雇用システムをとっている会社もあった。パートや派遣などが多くを占める最近の雇用状況が新卒のところにまで及んでいるのは、私にとっては驚きでもあった」と感想を述べた。

 菅代表はまた「高校は普通高校のウェイトが高くなって、職業高校のウェイトが低い。そして、職業高校の卒業生の希望にマッチする仕事が見つかりにくい状況にある。一方で日本には昔から『職人』といわれる、いい仕事をする人たちがいる。そうした分野と、職業学校の卒業生を結びつける形が、日本の将来を長期的に考えたとき必要だと感じた」と語った。さらに「小泉首相は現場のことをどこまで分かって発言し、政策を詰めようとしているのか危ないところがある」とも指摘し、今後、首相との議論では視察を活かした質疑を行いたいとした。

 その後菅代表らは、渋谷にある「ヤングハローワークしぶや・しごと館」へ移動。菅代表は実際にパソコンを操作し、求人情報を引き出したり、職業適性診断などを行ったりした。また、同館の年間就職斡旋件数が2000件だという説明を受け、「これだけの施設で、これだけの人がいて、年間2000件というのは少ない」と指摘。求職者が自由にパソコンを使える利点はあるものの、求める就職先にたどり着くまでにかなり時間を要したり、見つけきれない場合もあり得るのではないかとし、若年層の就職率アップにつながる、利用者の立場に立ったシステムへの改善が必要だと述べた。

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