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2001/10/12
<衆院テロ特別委>「自衛隊は守れても隣の民間施設は守れない?」枝野幸男議員が追及
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衆院テロ対策特別委員会は12日、前日に続き、小泉首相以下全閣僚が出席した総括質疑を行い、民主党・無所属クラブから枝野幸男政調会長代理、岡田克也政調会長が質問に立った。

 枝野議員は、自衛隊法改正案を中心に質問した。
 冒頭、枝野議員は、小泉首相が中国訪問時に記者団との懇談で、民主党に対して「反対のための反対という今までのような態度ではなく、超党派的な対応ができればいい」と述べたことについて、「民主党は結党以来、反対のための反対などしたことはない」と強調し、首相に発言を撤回して謝罪するよう迫った。

 これに対し、小泉首相は、「議員同士の自由な議論だ。言葉尻をとらえたらきりがない。そのくらいは政治家として許容範囲だ」と開き直るだけだった。

 本題に入り、枝野議員は自衛隊法81条に第2項として加えられた「自衛隊の施設等の警護出動」を取り上げ、「自衛隊施設と米軍施設を守れることになっているが、隣接する民間施設は守れないことになっている」と問題視。政府の見解を質した。

 小泉首相は、「自衛隊の駐屯地ぐらいは自衛隊自身が守れるようにするのは当たり前だ。他の不穏の情勢があれが治安出動すればいいので、心配はあたらない」と答えたが、枝野議員は「テロが行われる恐れがある場合に、自衛隊基地とその外側の地域とで、自衛隊基地だけが襲われるという蓋然性はあり得ない」と反論した。

 また、中谷防衛庁長官は、「テロ攻撃を考えると、当然民間も危機に瀕するが、国民を守る施設として、特殊な能力のある施設を警護するという意味がある」と答弁。枝野議員はすかさず「そういう理屈なら、より守る必要のあるのは自衛隊を指揮する総理大臣や首相官邸ではないのか」と切り込んだが、中谷長官は「そういう場合は治安出動で守る」と繰り返すだけで、議論は平行線のままだった。 

 枝野議員は、さらに「大規模テロが同時多発的に起きて、一方が自衛隊基地が狙われ、一方で民間施設が攻撃されても、この法律では前者には反撃できるが、隣の民間施設では治安出動を求める時間がなくて、自衛隊は動けないということにならないのか」と重ねて追及したが、小泉首相は、「どういうテロが起こるかわからない。仮定ですから、具体的な状況を見ないとわからない」と心許ない答弁。

 枝野議員は無責任な首相の言い逃れに半ばあきれながら、「何が起こるかわからないから法律を整備するために今やっている。ありとあらゆるケースを想定して、法的、物理的な準備をするのが首相の仕事じゃないのか」と突っ込んだが、最後まで政府側から的を得た答弁は得られなかった。

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