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2001/10/18
総務省の横断的調整機能は重大だ〜松井孝治参議院議員が初質問
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参議院の委員会質疑で18日、この夏の参院選で初当選した議員が続々と委員会デビューを果たした。

 民主党の松井孝治参議院議員は、参議院総務委員会で初めての委員会質疑を行った。

 松井議員は、通産官僚として行政改革会議の事務局に籍を置き、省庁再編の裏側まで知り尽くしている経験を生かし、行政改革や特殊法人改革に鋭く切り込んだ。

 まず、松井議員は、「総務省は分担管理事務を担うだけでなく、まさに横断的調整を果たす役所だ」と主張。今年6月に成立した「政策評価法」のもと、総務省が行おうとしている政策評価と従来の行政監察や会計検査との違い、評価体制について質した。

 松井議員は「自らの政策を正当化するためにお手盛りになりがちな各省庁の自己評価に対し、客観的な再評価を行う政策評価法は重要で、総務省の役割は極めて大きい」と指摘し、その上で、具体論として、政策評価法の最も典型的な対象分野である公共事業の評価について質問。

 まず、国土交通省と農水省の事業について、総務省が両省の評価を待たずに積極的に評価を行うのか否か、答弁を求めた。

 遠藤総務副大臣は「基本方針を審議中だ」とし、その審議を待って公共事業についても検討すると答えたが、松井議員は「そもそも総務省の事務として政策評価はある。基本方針を待たずに行えるはずではないか」と問題提起した。

 さらに松井議員は踏みこんで、小泉首相から国土交通省に対して出された“道路公団の民営化、平成11年に整備計画が決定された9342キロの高速道路整備計画の検討”に関し、「国土交通省として総理指示に忠実に従い、具体的な見直しを行っているのか」と質した。

 国土交通省の大石道路局長は経緯説明を長々と繰り返したが、何ら明確な答弁はなかった。松井議員が「9342キロの見直しを行うという前提か、行わないのが前提か」と迫ると、「閣議決定を経て国民に9342キロを整備すると約束したもので、高速道路建設かどうかは別として、9342キロの高規格ネットワークを整備する必要がある」と答弁。松井議員が「要するに見直さないということか」と重ねて質すと、「道路公団の高速道路として整備することは50年、3000億円という国費投入が必要なので、むずかしくなる。しかし、ちがう方法を考える必要がある。ネットワークとしては必要だ」と分かりづらい議論をくり返した。 松井議員は「閣議決定を経て、国民に約束した公共事業でも、それが必ずしも正しくない状況が発生し、見直しを求める議論が起こってくる」と指摘。そうした議論をしないまま、計画の見直しに明確な対応も示さない道路局長の姿勢を言葉を強めて批判した。

 このやりとりを受けて、遠藤総務副大臣は「まさに政府内で大激論中。予算編成時期までには結論を出さなければいけない」とし、片山総務相は「極めて高度の政治問題」としつつも、「特殊法人改革のなかで、道路4公団は改革を先行する」との姿勢を示した。

 松井議員は「国土交通省の所掌事務であっても、それに対して評価を行い、場合によっては勧告などまで行える権限が総務省にはある」と重ねて言及。その権限を活かさない限り、官邸機能の補佐・支援という重要な任務を行うべく総務庁をつくった意味がないと指摘した。

 続けて、松井議員は行政のスリム化として打ち出された国家公務員の10年間で25%削減する点について質問。99年に閣議決定されたが、その後、25%のうち、15%分は公務員型の独立行政法人への移行である点を松井議員は問題視。「改めるべきではないか」と主張し、公務員型の独立行政法人は非公務員型に改め、本来の国家公務員縮減の形に近づけていくのが総務省の大きな責任だと問題提起した。また、国の研究機関などで働く研究者など、非公務員型の方が自由で採用しやすいといった指摘もあるとして、検討を求めた。

 さらに松井議員は、公務員の定員管理について、「今回の省庁再編は各庁の定数のアンバランスを是正する絶好のチャンスだった」と指摘。「公共取引委員会や環境省など、あきらかに定数が少なく、新しい行政ニーズとの間でミスマッチが起きているものは、政治のリーダーシップで是正していくべきだ」と主張。ここでも総務省の役割を協調した。

 行政手続の電子化については、「各省まかせでなく、総務省がリーダーシップをとって横断的な横ぐしを入れ、整合性あるものにすべき」と主張。片山総務相も「通則法的な法体系を来年の通常国会に出したい」と意欲を示した。

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