民主党の鳩山由紀夫代表は25日午後、党本部で緊急に記者会見し、与党3党の幹事長間で24日に合意した衆院選挙制度変更案について、「何の哲学も理念もない。党利党略を優先させ、勝ち残るための選挙制度改悪だ」と真っ向から否定。「民主主義を冒涜するこの動きを、断固阻止する」との姿勢を示した。
与党3党では定数2の12選挙区、定数3の2選挙区新設で合意。同党はPKO参加5原則の見直し問題などの法案と引き換えに、議席確保に有利なように選挙制度変更を迫ったなどと伝えられている。
鳩山代表は「票がほしい自民党と議席がほしい公明党の利害関係が一致し、バーターした」と分析した。そして、「そもそも民主主義は国民の合意のもとに作り上げていくべきものだ」と指摘。一票の格差是正のための選挙制度改正は必須課題だとしながら、「選挙制度改正は政治家の手を離れ、第三者である有識者・国民のなかで審議するものでなければならない」と述べ、「さまざまな活動や経済団体への呼びかけなどを通して世論の総決起を促し、国民運動へ盛り上げていきたい」と決意を語った。
また「民主党が有利な戦いを展開している選挙区をターゲットに、自民・公明両党の議席を得やすくする発想」と分析。鳩山代表はさらに「与党三党の合意といえども、小泉首相がこのような改悪案によもや賛意を示されることはないと思うが、与党の合意に乗るのなら、許さない。世論の支持も一気に失う」とも語り、「その場合はあらゆる手段を講じて小泉政権打倒に向けて最善をつくす」と強い口調で表明した。
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