参院選の公示を前にした11日、日本記者クラブが主催する党首討論会が東京で開かれ、与野党7党の党首が議論をたたかわせた。民主党の鳩山由紀夫代表も出席し、小泉自民党総裁はじめ与党の党首たちに選挙政策をめぐる論争を挑んだ。
党首討論の第1部では、各党首が選挙の基本政策について訴えた後、党首間で討論が行われた。
鳩山代表は冒頭、「政権交代なくして真の構造改革なし」という民主党の基本姿勢を明らかにするとともに、国と地方の関係の逆転を通じて地域主権国家を建設するなど、改革を通じた新しい国家のビジョンを提起。その上で小泉総裁に対して、内閣として“改革断行”を掲げながら、自民党の選挙公約に改革の具体論がないのはなぜか、と質した。
小泉総裁は、自民党の公約は民主党よりも具体的だ、などと抗弁したが、鳩山代表が道路特定財源見直し、不良債権処理、天下り禁止などについて具体的に追及すると、反論できなかった。鳩山代表は、「ムード的な人気ばかりを煽り、十分な具体策を国民に示さないまま選挙を戦おうというのは卑怯だ」と強く批判した。
また、地球温暖化防止の京都議定書批准問題でも、「ギリギリまで米国を説得する」というがいつまで日本の態度を曖昧にしておくのか、と追及。小泉総裁は、米国が議定書に復帰するのは非常に難しいが、協力できる道を探っているなどと答え、米国のみに追従する姿勢を鮮明にした。鳩山代表は、米国が参加しなくても議定書に基づくCO2削減には効果があることを明らかにし、米国が批准しなくても日本はやるという姿勢を示すべきだ、と小泉総裁を批判した。
記者クラブ代表の質問に各党首が答える第2部では、小泉ブームといわれる政治状況への評価や靖国参拝問題、外交・安保問題などがテーマとなった。再び話題に上った京都議定書問題をめぐって鳩山代表は、早期批准は衆参両院で決議されているのに、政府の対応はそれと矛盾する、と指摘。外交・安保問題では、日米同盟だけを重視するのではなく、東アジアにおいて不戦共同体を構築するなどの追求が必要だ、と提起した。
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