参議院選挙告示日の12日、民主党の鳩山由紀夫代表をはじめ、菅直人幹事長、小宮山洋子広報委員長、比例代表候補のO候補、東京都選挙区のS候補が東京・新橋駅のSL前広場に集結し、都内第一声をあげた。灼熱の太陽が照りつけるこの夏一番の猛暑にもかかわらず、昼休み中のビジネスマンをはじめ、多くの人たちが足をとめた。
鳩山代表はこの日朝、長野市で第一声をあげ、高崎市に立ち寄り、東京へ。菅幹事長は東京・東村山にある国立ハンセン病療養所・多磨全生園で演説したあと、都心に戻ってきた。
まず司会進行役の小宮山広報委員長は、「民主党は鳩山代表や菅幹事長をリーダーに、議員も候補者も、国民が望む改革の中身をしっかりと持っている政党だ」と強く訴え、“チームで改革を進める民主党”をアピールした。
続いてマイクを握ったS候補は「政治はワイドショーではない。政治は生活のひとつひとつを吟味し、つみ上げていくものでなければならない」ときっぱり。そして、バブル崩壊後、失われた10年を過ごしてきた上、今回は政治バブルに遭遇しつつあると分析し、「小泉首相と、党員がひとりも入れ替わっていない自民党はまったくの別物であることを十分に理解してほしい。日本を支えてきたサラリーマンのみなさん、傍観しないでほしい」と訴えた。
次に、菅幹事長が「小泉内閣がかかげる聖域なき構造改革は本当に日本にとって好ましいのか」と指摘して、「汚れたコップの中だけでの政権交代ではなく、民主党が訴える本物の政権交代なくしては日本は救えない」と主張。「ITの第一人者であるS候補をはじめ、民主党は若手の優秀な議員や候補者が揃っている。その人材で本物の政権交代を実現してみせる」と強調した。同時に、「森派の会長として、森内閣を支えてきた張本人である小泉首相が、『みんな変わった。リセットされたんだ』と主張されても困る」と批判。日米地位協定の問題や、京都議定書を例に挙げ、「小泉さんの聖域はまずアメリカであり、自民党そのもの」と首相の外交姿勢を批判。「この参議院選挙では国民のみなさまの手で民主党を育て、本物の政権交代を実現させてほしい」と言葉を重ねた。
続けて登壇した比例代表のO候補は、「自分の辞書には政治家という項目はなかったが、多くのメディアで “小泉内閣は危険だ” と主張してきたことを、立候補することで訴えてほしいという菅幹事長の熱意に応えて立候補した」と説明。その上で、「小泉さんが自民党にいるままでは改革はできない。その理由は、50年間日本中に張り巡らされた政官業の癒着の構造は、彼ひとりでは打破できないからだ」と指摘。自民党を離党しない限り、何も変わらないと重ねて主張した。
また、前日のテレビでの7党首討論で小泉首相が「公用車をすべて低公害車に切り替えた」と述べたことについて、「そんなに環境が心配なのなら、なぜブッシュ大統領との日米首脳会談で、未来の子どもたちのためにこの地球を守るため、京都議定書に批准しようと主張しなかったのか。構造改革、景気回復よりもこの地球にとって最も大事なのは環境問題だ」と指摘。「低公害車ぐらいでごまかすな!小泉首相の主張はすべて、整合しない、二枚舌だ」と強い口調でその矛盾を訴えた。
そして「皆さんがぼくのテレビ番組を見てくれたおかげで今の生活ができる。その恩返しの意味をこめ、未来の子どもたちのため、この小泉人気の流れに一石を投じるために出馬した」と主張した。
最後に鳩山由紀夫代表は力強く「民主党は負けません。本当の政権交代を実現し、みなさんのために構造改革を実現してみせる。民主党のためではなく、皆さんの未来を明るいものにするために力を貸してほしい」と強く訴え、街頭演説会を終えた。
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