参議院選挙後はじめての両院議員総会が6日、党本部で開かれた。
冒頭、新たに参議院議員となった27名(推薦議員を含む)が紹介され、会場は熱い拍手に包まれた。
続いて、鳩山由紀夫代表が挨拶に立った。代表はまず、27名の当選議員の健闘を讃え、「政治はつまるところ人だ。今回、27名の素晴らしい同志を得たことは、民主党全体の喜びである」と述べた。次に参院選全体の総括に触れ、「自公保過半数割れという初期の目的を達成できなかったことは国民にお詫びしなければならない。小泉旋風下の厳しい戦いの中で、われわれの構造改革の中身を十分に国民に伝えられなかった」とし、「自民党は、KSD事件やその後の不祥事の問題は消えていないし、今回の選挙でも組織依存の人たちが続々と選ばれてきている。さらに政権交代を実現できる体制をつくるため、各地方組織の位置付けや労組との関係、政策、党運営のあり方など、積極的な議論をたたかわせてほしい」と呼びかけた。
次に、新役員体制が決まったばかりの民主党・新緑風会を代表して、新たに参議院議員会長に選ばれた角田義一議員が発言。「同志を当選させてくれた国民の民主党への願い、また残念ながら落選した仲間の無念も胸に刻みつつ、全員一致して自公保に立ち向かおう」と力強く述べた。
その後、菅直人幹事長が選挙結果のデータおよび改選議席を含めた参院会派の勢力状況などを報告。また、赤松広隆国対委員長が秋の臨時国会までの日程などを説明し、「今から準備をしっかりお願いしたい」と呼びかけた。
●地域での独自の基盤づくりを=菅幹事長
続いて出席議員の間で討論が行われた。選挙総括をめぐっては、「敗北したという厳しい総括を行うことから出直しをはかるべき」「党の顔が見えないことが問題だ」などの意見が出された。また、党が打ち出すべき改革後の社会のイメージをめぐって、「米国型の競争万能社会ではない、欧州のようなゆとりと暖かみのある社会をめざす方向ではないか」「センターレフトという形ではっきり打ち出すべきだ」「従来使ってきた“ニューリベラル”という用語は、国際的に見るとわれわれの方向性を表現するのにふさわしくない」などの議論がなされた。
当面の政策課題としては、靖国参拝問題が取り上げられ、「15日の前に、党の考えをはっきりと官邸に伝えるべきだ」などの意見が出された。
討論のまとめでは、選挙総括について菅幹事長が「胸を張って“善戦・健闘した”というつもりはない」と述べ、とくに得票が900万票を割った比例区で十分な対応がとれなかったことを挙げた。また今後の教訓として、地域に根をもっている議員と周辺のパワーなどを結びつけた地域ごとの独自の基盤を構築する必要がある、とした。
鳩山代表は、“党の顔が見えない”という意見に対して「この私が党の顔だ」と述べ、引き続き代表として党の主張を先頭で訴えていく決意を表明。同時に、政策面での“顔”となる基本的内容を早急に練り上げ、次期総選挙に備えるべきことを強く呼びかけた。
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