民主党の鳩山由紀夫代表は29日、党本部において定例記者会見を行った。
この日、東京株式市場で日経平均株価が1万1000円を割り込み、バブル後最安値を更新。また、7月の完全失業率が1953年の調査開始以来はじめて5%を超える事態になったことなど、経済情勢が悪化していることについて、鳩山代表は「小泉首相は改革、改革といっているが、実際に実行されず不良債権処理が進んでいないから株価が低迷し、失業率が5%を超える事態になった」と、首相の対応を批判した。
そして、政府でとりざたされている補正予算への対応については、「雇用問題の視点にたって、補正予算を議論すること自体は否定しない」と述べ、雇用対策のための予算編成を容認する考えを示した。ただ、「従来型の公共事業中心では景気対策にならないことは周知の事実であり、そのような補正予算にはくみしない」と明言。
さらに、「公共事業中心の補正予算は景気対策にならない。不良債権処理をないがしろにし、規制改革にも十分な手を打たないまま、いたずらに補正予算を組んでも、経済効果は乏しい」と指摘。落ち込んだ経済を立て直すには、空念仏のように“改革!改革!”と唱えているだけでなく、改革の実行あるのみだと主張した。
その上で、鳩山代表は、「国民経済がこのような状況にありながら、国会が開かれないということ事態が大変深刻だ」と指摘。正面から立ち向かう勇気を総理としては持つべきだと言及した。
党改革について記者団から問われたのに対して、「まだ十分に考えがまとまっていない」としながらも、「代表としての1年間の任期内に小泉内閣を追い詰めていくのが最大の責務」と明言。その責務を実行するための人事だと認識した上で、党全体について適材適所の人事改革を行い、ベストのポジションで固めていくとした。
特に鳩山代表は「秋の臨時国会の主戦場は予算委員会だ。民主党の考えを明確にしながら、小泉政権の構造改革の是非や不祥事などについて追及する場であり、ここを利用すべきだ。予算委員会をどのようにリードしていけるか考えていきたい」と述べ、人事ではネクストキャビネットと連携しての国会対策の強化に重点を置いて具体的な検討を進める考えを示した。
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