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2001/09/20
「狂牛病問題対策本部」第1回会合開く
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千葉県白井市で狂牛病(牛海綿状脳症)の疑いのある北海道産の乳牛が見つかった問題に関連して、民主党は羽田孜特別代表を本部長とする「狂牛病問題対策本部」を立ち上げ、20日、第1回会合を開いた。

 対策本部副本部長の金田誠一議員、事務局長の筒井信隆議員、対策本部メンバーの石毛えい子議員、鎌田さゆり議員、郡司彰議員、鮫島宗明議員、城島正光議員、永田寿康議員、広中和歌子議員のほか、玄葉光一郎議員、榛葉賀津也議員、谷林正昭議員、津川祥吾議員らが参加。厚生労働省・農林水産省からヒアリングを行った。

 厚生労働省・農林水産省のこれまでの対応を見てみると、狂牛病の疑いがある乳牛が見つかったと発表したのが10日で、牛は焼却処分したとした。しかし14日に農水省は焼却処分ではなく、肉骨粉にされていたと訂正。徳島県と茨城県で保管されていたのを焼却処分するよう指示したとした。そして15日、その肉骨粉の流通経路の一部が不明だと発表。16日に出荷されていないことを確認したと発表したが、17日、別工場に出荷されていたことが判明。とにかく混乱を極めている。

 問題の乳牛を生産した北海道の酪農家では、廃業までの間に72頭を出荷。飼料には肉骨粉は混ぜていないとの調査結果が出ている。18日には厚生労働省は、狂牛病が深刻化しているEUと同様、食肉用として処理場に持ち込まれる生後30カ月以上の健康牛を対象に、感染の有無を調べる検査を実施する方針を決めた。狂牛病は潜伏期間が2〜8年とされ、健康な牛でも感染している可能性を考慮した。農水省は19日、「問題の牛が見つかった白井市の農場で飼育されていた牛46頭」と「問題の牛を生産した北海道の農家から出荷された牛」について、国が買い上げ、焼却処分する方針を決めた。ただし強制ではなく、あくまでも酪農家の協力による。

 質疑では広中議員がまず、豚・鶏・魚には飼料として与えても問題ないとする点について「直接的には発症しないとしても、固体に蓄積され、それを人間が食べた場合についてまで問題ないと言い切れるのか」と追及。筒井議員は「狂牛病の原因は肉骨粉だとされているにもかかわらず、問題の牛には与えていないという。聞き取り調査を行っても明らかにならないことこそ、おそろしい」と指摘。肉骨粉が原因であるとするデータそのものを疑う必要が出てくるのかと問題提起した。「いずれにしてもすべてが明らかになるまで、豚・鶏・魚も含めて肉骨粉の飼料利用を全面禁止すべきではないか」と筒井議員が提案したのに対して、農水省側は「禁止を決定する科学的根拠がない」とした。

 鮫島議員からはイギリス・EUのデータに基づき行動するのではなく、日本独自の検証が必要だと指摘。また、最初に発見された牛が狂牛病だとの確定がいまだに出ていない点を指摘し「そうなると、今後厚生労働省が実施しようとしている検査の信憑性も疑わしい」と言及した。玄葉議員は発表が二転三転したことで国民の信頼を失墜させた農水省・厚生労働省の責任は大きいと指摘。「情報を的確に把握し、国民に正確に伝えることは危機管理の“いろはのい”だ」とした。永田議員は農家やメーカーへの教育が不十分だと指摘し、拡充を要請。現在輸入されている肉骨粉への品質評価の洗い直しも必要とした。

 さらには中津川議員が「新たな検査を経たものが市場に出回るのはいつか」と質問。10月下旬になる予定との回答を得た。

 対策本部では今後、原因の究明と肉骨粉の飼料利用の全面禁止を検討していく予定だ。

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