民主党の五十嵐文彦ネクストキャビネット(NC)金融相は16日のNCで、与党提出の「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案」をめぐる論点を提示し、法案審議を行った。
そもそも昨年秋の臨時国会で成立した「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律」(銀行株式保有制限法)の骨子は、銀行が抱える株価変動リスクを限定するため、株式保有制限を課すとともに、銀行の株式処分が円滑に進められるよう、銀行等保有株式取得機構を設立するというもの。本改正案ではさらに、株式持ち合い解消の動きを視野に入れ、事業法人が保有する銀行株を銀行等保有株式取得機構の買取対象に加えることとしている。
民主党はそもそも昨年、銀行株式保有制限法に反対。その理由として、「株式売却に伴う市場へのインパクト緩和を名目にした、銀行救済のための国家的飛ばしである」「銀行等保有株式取得機構等が役職員の派遣を通じて銀行の影響下におかれることにより、株式市場を歪めるおそれが大きい」「銀行等保有株式取得機構解散時に利益が残れば銀行に、損失が残れば国民負担に、という極めて不公正な仕組みである」などの問題点を指摘した。本改正案では、それらに加えて、「事業法人には株式保有制限が課されておらず、機構が事業法人から銀行株を買い上げる必要性がまったくない」「明らかに銀行株の買い支えを目的とするもので、特定の業種の株価を著しく歪めることにつながる」などの問題が加わったことを重視し、NCでは「より一層悪質」として反対する方針を固めた。
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