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2002/07/16
【参院厚労委】日本医師会らが健保法改正案に反対表明
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 参議院厚生労働委員会は16日、各界の有識者を参考人として招いて健康保険法等改正案をめぐる質疑を行い、与党推薦の参考人からも政府法案への反対が表明されるなど、法案の問題点が浮き彫りになった。

 6名の参考人による意見陳述では、まず日本医師会常任理事の櫻井秀也氏が発言した。櫻井氏は冒頭、健保法改正案は「世界に冠たる優れた日本の医療保険制度を破壊するもの」であり「断固として反対する」と表明。具体的な問題点として、高齢者の医療費自己負担がきわめて重くなること、被用者保険本人の3割負担に根拠がないこと、の2点を挙げた。

 健康保険組合連合会常務理事の対馬忠明氏は、逼迫する健保財政を立て直しを目指す観点から、高齢者医療費完全一割負担の実施などを評価し、「ぜひ法案の成立を」と呼びかけた。

 福岡県・添田町長で全国町村会会長を務める山本文男氏は、6割以上が赤字といわれる国保の財政基盤強化と医療保険制度一本化を進める観点から、改正案の早期成立を訴えた。

 日本労働組合総連合会事務局長の草野忠義氏は、「抜本改革が実施されないままでの、国民への大幅負担増ありきの法案には反対。廃案にすべきだ」とし、被用者保険本人の自己負担3割への引き上げ、被用者保険料への総報酬制の導入、薬剤一部負担金の廃止など、法案の問題点を列挙した。

 全国労働組合総連合事務局長の坂内三夫氏は、「財政赤字という国の政策の失敗による犠牲を庶民に転嫁するもの」として法案に反対を表明し、保険料収入の基盤確保に向けた雇用対策拡充、医療費国庫負担率引き下げ措置の撤廃、薬価の抑制などの実施を呼びかけた。

 最後に発言した日本高齢・退職者団体連合会長の西田八郎氏は、安心と信頼の社会保障が必要だとする立場から、年金生活者にとって過酷な負担増をもたらす今回の法案は廃案にすべき、と主張した。

 参考人への質疑に立った民主党の山本孝史議員は、まず櫻井氏の主張に「全面賛同する」と述べ、医師会の従来のスタンスから変化したのかと質したが、櫻井氏は「全く変化はない。がんになっている2つの問題(高齢者自己負担増、被用者保険本人3割負担)を取り除けばいい、と言ってきた」と回答。山本議員が「医療の質の確保抜きに患者負担増だけを求める自民党に猛省を促すべきではないか」とさらに質すと、櫻井氏は「この法案のような考えを進めるのなら、場合によっては支持を止めざるを得ない、選挙でも応援しない覚悟だ」と明言した。

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