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2002/07/17
【党首討論】「小泉改革は自民党の枠の中の改革」鳩山代表が指弾
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 国会会期末まで2週間となった17日、今通常国会で3回目の党首討論が行われた。民主党の鳩山由紀夫代表は、国際刑事裁判所問題、住基ネット問題、景気対策問題などをめぐって小泉首相を厳しく追及し、今こそ自民党政治の利権構造そのものをつぶさねばならない、と力強く訴えた。

 主なやりとりは次の通り。

■国際刑事裁判所問題

鳩山:カナナスキス・サミットでは、パレスチナのジェニンにおける虐殺問題について、ブッシュ大統領に日本の立場を主張したのか。

小泉:イスラエル・パレスチナの問題だけでなく、中東の問題について議論になった。日本としては、中東和平の問題にも重大な関心を持っていると話した。

鳩山:一般論ではない。イスラエルによる虐殺に対する国連調査団の派遣がイスラエルの反対で実現していない中で、日本としての明確なメッセージをなぜ打ち出さないのか。
 また、せっかく4年前の今日、虐殺や戦争犯罪を裁く国際刑事裁判所の設立が採択され、この7月1日から発効しているのだから、早く署名、批准すべきではないか。

小泉:関連の国内法の整備もある。前向きに検討している。

鳩山:昨秋の答弁と同じだ。何もやっていない。署名も批准もしないのは、戦争犯罪を国際的に裁かれるのを嫌っている米国に気兼ねしているからだろう。間違っていることは間違っていると、米国にもはっきり言うべきだ。

小泉:何でも米国を追及すればいいという態度は問題だ。米国抜きに国際平和は実現できない。いかに米国を国際的に孤立させないか、が問題だ。

鳩山:すり替えるな。国際刑事裁判所の設立を、日本は基本的に支持しているのだろう。米国に何でも追随すればいいのではない。大国意識の国々の暴走をくい止めるために、日本は先頭で走り回るべきだ。

■住基ネット問題

鳩山:個人情報保護法案はメディア規制法案になってしまった。個人データを保護する、本当にいい法案をつくるべきだ。現在の法案は、まず廃案にせよ。

小泉:メディア規制法案というのは誤解だ。報道の自由と個人情報保護とは、話し合えば必ず一致点を見いだせる。

鳩山:8月5日に住民基本台帳ネットワークシステムが始動することになっているが、自民党議員の中でも22人が延期すべきだと言っている。6月11日の電子政府評価助言会議では、経産省の人間も“3300の自治体での人材確保は無理”と言っている状況だ。自治体も延期を求めている。われわれは、個人情報保護法が正しいものとして成立するまで凍結するという法案を用意している。総理も賛成を。

小泉:8月5日実施ということで自治体も準備を進めている。不備な点も聞きながら、うまくいくように協力していきたい。

鳩山:セキュリティについて非常に認識が甘い。3300の市町村をネットワークでつなげる。一つでも穴が開けば、すべての個人データが入手できてしまう。真剣に延期、凍結の判断を。

■小泉改革の総括

鳩山:小泉改革の最大の過ちは優先順位を間違えたこと。その間に、どんどん経済は悪くなり、就業者は132万人減った。1日60件の倒産、30人の自殺、さらに株価はバブル後最安値を更新する勢いだ。にもかかわらず、政府は失業が増えたから雇用保険料を上げると言っている。こういう政策をやるべきだと本気で思っているのか。

小泉:不安ばかり煽り立てるが、景気底入れ宣言も出せたし、構造改革も着々と進んでいる。改革路線を堅持する。

鳩山:健保法改正一つとっても、抜本改革を先送りし、サラリーマンの負担だけを上げた。何でこれが構造改革か。ふざけてはいけない。
 要するに、改革をやるというパフォーマンスだけで、実は自民党の枠の中の総理だったということだ。だから、鈴木宗男議員や宮路前副厚労相の問題で示された自民党政治の利権構造をそのままにしている。自民党をつぶすという気迫を完全に失った総理には何の魅力も感じない。
 われわれは、他の野党とも協力して、自民党政治そのものをつぶす決意だ。

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