民主党・新緑風会の内藤正光議員は23日、健保法改正案を審議中の参議院厚生労働委員会で質疑を行い、保険者機能の強化を医療保険改革の中心に据えるべきとの立場から坂口厚労相の見解を質した。
医療機関との関係で個々の患者は弱い立場になりがち。他方、健康保険組合などの保険者は、現状ではたんなる保険金の支払い機関の役割しか果たしていない。内藤議員は、保険者が患者本人に代わって医療機関に対するチェックなどの機能を果たすことで、医療の質の改善やコストダウンも図られるとの期待感を表明した。これには坂口厚労相も賛意を表明したが、同時に「そのためには、保険者機能を発揮できるくらいの大きさになってもらう必要がある」との見方を示した。
これに対して内藤議員は、保険者の規模の見直しよりも、患者が保険者を、また保険者が医療機関を選択できるようにし、良質な医療機関にかかる患者には保険負担率をかさ上げするなどの特例を認めてはどうかと提案した。坂口厚労相は「不可能な話ではない。検討の幅の中の一つに入れて考えていくことはできる」と応えた。
内藤議員はまた、高齢者医療のあり方について、「基本的に公費と拠出金で成り立っており、負担と給付の関係が非常に不明確。インシュアランスとしての(言葉の本来の意味での)保険に入れ込んで保険者機能、質の向上を図るメカニズムを入れていくべきだ」と提言した。
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