参議院厚生労働委員会の9日の審議において、民主党の辻泰弘議員が質問に立ち、健康保険制度を中心に医療制度全般の改革の現状と展望を質した。
質問の中で辻議員は、各種保険の統合問題を取り上げ、「国民健康保険の統合については都道府県単位で行うという説が有力だというが、その場合の保険料徴収システムなどは難しいのではないか」と質した。坂口厚労相は、「統合化の場合の大きさでは都道府県単位は有力。保険料の徴収は市町村に何らかの形で協力してもらわないとスムーズにいかない。そのことが統合化にも影響を与えていく」とした。
また、保険の一元化、分立、民営化などが言われているが、概念を整理してほしい、と質問。厚労相は、まずそれぞれの制度の中で統合を行い、その後に国保・政管健保の都道府県単位での統合などを進める、とした。職域保険と地域保険の融合については、「そこまでは決められない」と答えるにとどまった。また民営化については、「完全な民営化ではなく、独立行政法人のような形が頭にあった」とした。
次に辻議員は、厚労省の保険について質問。大臣を含む職員が加盟する保険が、共済組合(短期組合)、第二共済組合、社会保険職員共済組合の3つに分かれている実態を指摘し、「保険の統合・一元化を言うなら、足下からやるべきだ」と追及した。厚労相は「自分のところは3つ、というのでは済まない。統合化を進めたい」と答弁した。
最後に辻議員は、厚労相が8月か9月に方針を提示するとしている問題の内容を確認。厚労相は、社会保険病院のあり方、年金・医療・介護・雇用の保険料徴収一元化、社会保険庁内部の組織見直し、の3つを挙げ、関連してレセプト整理の今後のあり方についても提起することを明らかにした。
|