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2002/09/05
イラク問題で首相官邸に申し入れ
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 5日夕、民主党の岡田克也政策調査会長および伊藤英成ネクストキャビネット(NC)外務・安全保障相は首相官邸を訪ね、イラク問題に関して小泉首相へ申し入れを行った。官邸側は福田内閣官房長官が対応した。

 申し入れは、ブッシュ政権がイラクに対し、大量破壊兵器の開発・貯蔵疑惑、テロ組織アルカイダとの協力関係等を理由に武力攻撃の実施を示唆する発言を繰り返していることに対して、日米首脳会談で自制を求め、武力攻撃に際しては新たな国連安保理決議が必要であることを主張するよう首相に要請するもの。

 申し入れ書を受け取った福田官房長官は、「先日、アーミテージ国務副長官が来日した折りも、アメリカは、まだ最終的な対応を決めていないという説明だった。民主党の主張はもっともであるが、現時点で立場を表明することは避けたい。総理には、民主党の意見の趣旨を伝える」などと釈明し、「アメリカへの意見の表明は任せてほしい」と続けた。

 これに対し、岡田政調会長から「核査察を求める手段としても、脅しのようなやり方はどうか。法律の適用等、日本の関与のあり方も慎重にすべきだ」との意見が出され、伊藤NC外務・安保相も「アメリカ政府関係者との会合で、万一アメリカによる武力行使という事態となる場合でも、現状では、日本として軍事力による協力が困難なことを伝えた。中東のイスラエル・パレスチナ情勢も考慮すべき」と指摘した。福田官房長官は、イラクの査察受け入れの重要性を指摘しつつ、アーミテージ国務副長官の説明や、アメリカ議会等の状況を紹介することに終始し、民主党の主張の正当性を暗に認めるかたちとなった。

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            イラク問題に関する申し入れ

 ブッシュ政権は、イラクによる大量破壊兵器の開発・貯蔵疑惑、テロ組織ア
ルカイダとの協力関係等を理由に、イラクに対し、武力攻撃を示唆する発言を
繰り返している。
 民主党は、良好な日米同盟関係の維持・発展を望むものであるが、イラクへ
の武力攻撃については、国際紛争の解決に関する国連の役割を重視する観点か
ら、以下の方針で対処すべきであると考える。民主党は、小泉総理に対し、日
米首脳会談において、わが国の立場と意志をブッシュ大統領に明確に伝えるよ
う申し入れる。

                記

1.イラク問題への対処に当たっては、国際協調が不可欠であり、アメリカの
イラクへの武力攻撃は支持できないとの意志を示し、自制を求めること。

1.万一、イラクへ武力を行使する場合には、国際社会への脅威となる具体的
な根拠を示すとともに、新たな国連安保理決議が必要であることを明確に主張
すること。

1.わが国としては、核査察等に対するイラクの姿勢、アルカイダとの関係の
有無、国連安保理の動向、憲法上の制約、国益等を慎重に検討し、主体的に対
応を決めること。

2002年9月5日

内閣総理大臣 小泉純一郎殿

民主党代表 鳩山由紀夫

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