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2005/06/23
サマワにおける陸上自衛隊の被害について(談話)
民主党『次の内閣』ネクスト防衛庁長官
前原 誠司

イラク南部サマワの陸上自衛隊宿営地の近くで現地時間午前9時頃(日本時間午後2時頃)、陸上自衛隊の車列が通過した直後に爆発があった。政府も全員の無事を確認したことから、まずは自衛隊の身体に被害が及ばなかったことに安堵する。

 しかしながら、4両の車列のうち1両のフロントガラスが破損したとされており、陸自の車両が直接狙われた例は初めてであり、自衛隊の安全確保は困難になったことが明らかである。

 民主党は、荒廃したイラクをいち早く復興し、イラク人のためのイラク人による国家建設をしていくため、日本が円借款の再開など積極的な支援策を講じていくことに賛成である。また、昨日、ブリュッセルで開催されていたイラク復興会議において、国際社会が支援の枠を拡大していくとともに、イラク人の国民和解の実現を求めたことを歓迎したい。

 一方で、主権移譲から一年となろうとしているにもかかわらず、過激派によるとみられる自爆テロ等の攻撃はやまず、4月末の新政権成立後のテロ等による死者は800人を超し、先週来の自爆攻撃等による襲撃で、イラク軍兵士、警察官、市民を問わず、連日のように二けたの犠牲者が出ている。イラク戦争開始以降の米軍の死者も1700人を超しているとの報道もあり、米軍の掃討作戦に疑問の声も上がっている。

 イラク特措法に照らしても、政府の言う「非戦闘地域」はイラクに存在せず、自衛隊の派遣要件を満たしているとはとても言えない状況である。政府に対し、いち早く「出口戦略」を組み立て、イラクの自衛隊を直ちに撤退させること強く求めるものである。


以 上
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