衆議院外務委員会の「北朝鮮による拉致・核開発等に関する小委員会」が18日開かれ、平壌での日朝政府間協議について細田官房副長官と外務省の薮中アジア大洋州局長から説明を受けたあと、民主党の松原仁、渡辺周、中野譲の各議員が質問した。
松原議員は協議の意義や全容を詳細に問い質し、「政府間交渉が行われたということだけで具体的な成果はなかった。次回協議の日程も決めておらず、北朝鮮側がイニシアチブをとっての時間稼ぎだったのではないか」「改正外為法の発動を食い止め、特定船舶入港禁止法成立を阻止するための日本へのアピールであるとともに、25日から北京で開かれる6カ国協議で拉致問題を取り上げさせないアリバイ作りだったのではないか」と迫った。
渡辺議員も「6カ国協議で政府は日本の立場を強く主張し、他の参加国も同じ問題意識を持つよう取り組むべきだ」と力説するとともに、「進展がなく、終わりなき『対話』が継続するようなら、対話の期限を限って国の強い意志として『圧力』も考えるべきだ」と主張。また、「北朝鮮は平壌宣言での謝罪で拉致問題は解決済みだとしている。政府は拉致被害者5人の家族全員の帰国と5人以外の安否問題以外に、拉致認定されていないその他の特定失踪者の真相究明も求めるべきだ」と強調した。さらに鳩山民主党拉致問題対策本部長らが訪韓し面会した3人の韓国人拉致被害者と元北朝鮮労働党書記の黄長ヨプ(ファン・ジャンヨプ)氏の来日および国会証言を実現するため、政府の配慮を求めた。
中野議員は「一連の流れを熟知し、今回の協議にも出席した田中審議官がこの場にいないのはおかしい」と追及。また、昨日の読売新聞の記事中の「内閣官房職員の訪朝」について細田副長官は「事実として承知していない」と答弁したが、中野議員は「仮に事実としたら、二重外交の可能性がある」と迫った。
なお、各議員とも外務省の田中審議官の参考人招致を求めた。
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