民主党の菅直人代表は22日、鹿児島県桜島町を訪問。漁船に乗り込んで錦江湾内に点在するカンパチの養殖生簀を視察するとともに、漁業関係者約30人と車座対話集会を開き、意見交換した。
集会では、若い漁業従事者から養殖ハマチが元値の3倍もの価格なのに「おすすめ品」として販売されている現状をどう見るかといった質問が出され、買い叩かれている生産現場の実情を前に菅代表は「生産者と消費者の取り分がもう少しうまくいく形に変えなければならない」と述べ、流通・販売業中心の物流の弊害を問題視した。
また、漁業従事者ならではの環境保全の視点から「発泡スチロールや漁業で使われる用具類も改善が必要」との声があり、菅代表は「ドイツでビールの容器をすべてビンに戻しているように、日本でも自然にかえる材質やリサイクル可能なものに限定していくなど、環境重視の社会システムに変えていくべきだ」と語った。
そのほか、温暖化の影響で獲れる魚の種類が本来の旬より2カ月ぐらいずれ込んでいる現状を心配する声や、養殖魚に投与できる薬品について「認可基準があいまい。同等の成分であるにもかかわらず、認可されているものとそうでないものがある」と水産行政の問題点を指摘する意見も出された。
意見交換の最後に菅代表は、日本の食料自給率の低さを改めて指摘し、価格保障・所得補償等によって第一次産業を保護すべきとの民主党の主張を訴えた。
視察・集会には川内博史、山田正彦、楠田大蔵の各衆議院議員も参加した。
|