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2004/02/23
【衆院予算委】年金流用、道路借金返済問題などを質す
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 衆議院予算委員会の23日の質疑で、民主党から生方幸夫、牧野聖修、小林千代美、首藤信彦、長妻昭、井上和雄の各議員が質問に立った。

 生方議員は、新生銀行の上場について「8兆円の公的資金投入で最終的に国民負担が4兆円超える一方で、株売却で外資系投資グループが不課税で大きな利益を得る。リスクに見合ったリターンになっていない。国民は納得できない」として経緯をチェックして今後の不良債権問題に生かすよう求めた。

 また、中国人留学生の犯罪や不法滞在の増加を理由に入国審査が厳しくなっていることについて「意欲を持って勉学に来る真面目な人が大多数だ。日中交流拡大のためにも奨学金など援助策を講じ、できるだけ広く受け入れて欲しい」と要望した。

 牧野議員は教育問題で質問。冒頭、今日の時代状況における「心の教育」の重要性を指摘し、道徳教育ばかりではなく、家庭や地域コミュニティなどと連携した人格教育をこそ推進すべきことを主張した。また、教育基本法改正については1年前に出された中央教育審議会の答申を取り上げ、「教育を投資の対象と捉え、投資効率を良くすることを目標にしている」と厳しく批判。河村文科相は、教育環境の整備について論じている部分だと弁解しながらも、法案化にあたっては「投資」という表現を使わない意向を示した。
 
 小林議員は、イラクへ派遣された自衛隊員の放射能被害について質した。小林議員は「私の出身地の千歳、恵庭は基地の町。家族に説明するつもりで答えを」と前置きした上で、石破防衛庁長官が劣化ウラン弾がサマワでは見つかっていないと答弁したことを取り上げ、その後に発見されたことを踏まえて撤退・活動地域の変更を行うべきだとした。石破長官はガンマ線が「あったとすればそこでは活動しない」と答えた。また、小林議員が自衛隊員の健康管理について質したのに対し、石破長官は「帰国後も精神面も含めてケアする」と答えた。
 
 首藤議員はまず、イランのアザデガン油田の開発契約が当初の米国からの圧力にもかかわらずまとまったことを「エネルギー権益の確保と日本の中東政策において意義がある」と評価するとともに、中東の安定に向け今後も外交努力を重ねるよう川口外相に要請した。
 
 続いて首藤議員はイラク・サマワでの自衛隊活動に関して借地料の問題を取り上げ「オランダ軍が70〜100万円とされるのに日本はなぜ1億円なのか」と石破防衛庁長官に質問。長官は具体的数字を何ら明らかにしなかったが、首藤議員は、破格の支払いは現地の社会システムの破壊につながりかねないと懸念を示した。また、劣化ウラン弾の発見とそれによる健康被害を伝える英国防省警告書の存在を石破防衛庁長官に確認した上で、自衛隊員の安全確保に向けて危険を周知・警告する体制を整えるよう求めた。
 
 長妻議員は年金の掛金流用問題を中心に質問。「社会保険庁職員の健康診断費用が厚生・国民年金、政管健保の掛金で賄われている。県人会参加費や退官記念品代などの社会保険庁長官交際費にも、低家賃の職員用マンション建設費にも、厚生年金に加入している非常勤職員の人件費にも、職員の外国旅費や公用車購入にもどんどん使われている。年金財政が厳しい中で国民の年金不信が益々高まる。廃止や見直しをすべきだ」と谷垣財務相や坂口厚労相に迫った。また、天下りや天下り先での高額報酬の見直しについて「そろそろ始めたらどうか」と皮肉り、数値目標と達成期限を明確にするよう厚労相に求めた。
 
 井上議員は、道路公団改革、年金改革、住宅の省エネ対策などについて質問した。道路改革では、今までの料金収入(44.3兆円)と建設費(43.4兆円)を質し、なぜ45年間で借金が返済できるのかを詰問した。石原国交相は「法律に書き込む」としただけで詳しい返済計画については示さなかった。年金については基礎年金は生活保障だとして、スウェーデン方式への転換を求めた。住宅の省エネに関して、二酸化炭素の削減計画(6%)の達成のためにも、断熱材、2重窓、外断熱工法などを規制として取り入れるよう求めた。

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