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2004/02/26
【衆院予算委】公聴会:イラク・年金問題で党の現実性示す
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 衆議院予算委員会は26日、平成16年度総予算に関する公聴会を開き、午前中は酒井啓子・アジア経済研究所参事、金子勝・慶大経済学部教授ら4人の公述人が意見陳述。これに対して民主党から吉良州司議員が質疑に立った。

 酒井氏は日本のイラク復興支援について、サマワを中心にした南部地域は最近治安が悪化し、歴史的にもシーア派内部の抗争や農民反乱が繰り返され、ゲリラ養成地の様相を呈していること、物価高騰や自衛隊宿営地の安全保障代を含めた借地料問題、多くの部族との友好関係維持の難しさなどを挙げて「いかにリスクとコストが高いか」を指摘、政治的包括的な支援計画の見直しを主張した。

 金子氏は道路公団や郵貯、年金問題を例に挙げて「日本は特別会計や特殊法人に赤字をためて本体の数字を粉飾する粉飾国家だ。その現状の矛盾を糊塗する仕組み、現行システムを前提に隠れた所で借金を積み増しして数字の辻褄合わせで当面当座を乗り切るというやり方はもはや通用しない。国民に情報を開示して責任を明確にした上で、リセットボタンを押して日本経済を立て直すため再出発するという、大胆な改革が求められている」と説いた。

 吉良議員は金子氏に「地域再生の具体策と地方分権のあり方」について、酒井氏に「米国流の自由と民主主義がイラクで受け入れられるのか」を質した。金子氏は「地方の衰退は一時的な不況で起こったのでなく、町村の崩壊現象だという認識がない。地方分権の目的そのもののが明確になっていないからだ」、酒井氏は「自由と民主主義を米国は提供していないというイラク人の不満が治安の悪化をもたらしている。ベストの統治形態は明らかに議会制民主主義と差別のない自由な政党活動を認めることだ」と力説した。
 
 午後は連合の草野忠義事務局長らが意見陳述。井上和雄議員が質疑に立った。

 草野事務局長は、予算の組み替えとともに、経済・財政運営についてはサプライサイドの改革から生活中心の改革に改めるよう求めた。さらに、現在の景気回復、企業の収益回復について、リストラという名の人員削減、正規従業員からパート、派遣労働者への切り替えなどによるコストダウンがもたらしたものだと指摘、経済全体を萎縮させるものと切り捨てた。また年金改革についても、政府案は国民の不信を払拭するどころか、かえって増幅させるものと批判した。
 
 井上議員は、民主党の予算案への評価、年金改革案について公述人から意見を求めた。草野公述人は民主党の予算案について「敬意を表する。民間企業、地域、安心して暮らせる社会を目指しており、また、雇用も数字が挙げられている点も感謝申し上げる」と評価。年金改革案に関しては「連合の案と基本的には似ており、違和感はない。我々も消費税の増額、保険料の15%へのアップ(報酬比例部分)など負担増を覚悟している。安心できる年金制度にするべき」と答えた。

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