衆議院本会議が27日に開かれ、政府提出の義務教育費国庫負担法等改正案について趣旨説明と質疑が行われた。質疑では、民主党・無所属クラブを代表して高井美穂議員が初質問に立った。
同法案は、地方分権の三位一体改革の一環として、義務教育費国庫負担金のうち教職員の退職手当と児童手当の部分を一般財源に組み入れるというもの。
高井議員はまず、もともと裁量の余地のない手当を一般財源化することが「地方の自由」の拡大につながるのかと質した。麻生総務相は、「それ自体は自由化の向上に資するものとは考えがたいが、18年度末までに全額を一般財源化する中での措置であり、改革を一歩前進させるもの」などと苦しい説明に追われた。
また高井議員は、この法案の措置が義務教育改革にとってプラスになるのか、と追及。しかし河村文科相は「国庫負担の対象経費を国が真に負担すべきものに限定する」などと、国の支出のスリム化という観点からしか説明できなかった。
さらに、国庫負担金総額を一括して地方に渡す総額裁量制が政令改正で導入されようとしていることについて高井議員は、「地方の裁量を拡大するといっても、1クラス40人という現行標準法(公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律)の中でのやりくりになっている。この際、30人以下学級を推進し、地域が主役の教育環境を整備すべく制度設計を見直すべき」と迫った。河村文科相は「40人を標準としつつも、それを下回る基準を定めることも可能にする」などと答えるにとどまった。
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