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2004/03/02
【衆拉致小委】韓国拉致被害者3人が参考人陳述
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 衆議院外務委員会の北朝鮮拉致・核問題小委員会が2日に開かれ、韓国人拉致被害者である金柄淘(キム・ビョンド)、李在根(イ・ジェグン)、陣正八(ジン・ジョンパル)の3氏からの参考人陳述および質疑が行われた。

 3氏の陳述の要旨は以下の通り。
 
金氏 73年11月拉致。思想教育を受けたあと工場に配置。何とか生きながらえなければと懸命に働き、勲章をもらい、労働党の信任も厚かった。北朝鮮当局の公式発表で苦難の行軍で350万人が飢死にした。私が生きてきたのは奇跡だ。赤十字や韓国、日本、米国の食糧支援は国民が食べていくのに十分なものであったのに、半分も人民に行き渡っていないのは不思議なことだ。北朝鮮政府は世界から抗議されるに値する。戦争の準備をしていたのではないか。20代の青春を奪われ、胸が張り裂けそうな思いだ。何の補償も受けていないし、生活する上で困難な状況だ。

李氏 70年4月拉致。韓国の赤化統一のための工作員の基地である党中央政治学校に入れられた。党学校から病院へ車で行く途中の招待所に北朝鮮人とは違った服装をした人たちがいたので、「なぜ日本人がいるのか」と指導員に聞いたら、「偉大なる金日成同志を慕っていろんな国から来ている」と答えた。正月にホテルでビリヤードをやっている20人位の日本人を目撃した。韓国政府によると韓国拉致被害者は450人だが、私の知る限りは600人以上。北朝鮮によると拉致日本人は15人だが100人以上いると思う。日本は北朝鮮への資金提供のチャンネル、ルートを全部断ち切って欲しい。金正日を国際刑事裁判所に渡して欲しい。彼が生きている限り、世界の平和は遠い未来となるだろう。

陣氏 67年4月拉致され、35年振りに帰国。2年間思想教育を受け、炭鉱関係の付属部品を作る機械工場に配置。高射砲を作ってこの地を守れという金日成の指示で40ミリ砲、弾薬を作った。97ミリ砲も作ったが、ノドン1号、2号を打っている時期であり、核開発で電子関係の部品も作っていたと思う。人民の状況は非常にひどく、地方産業も壊滅状態だ。軍需産業だけが細々と続いている。

 質疑では、中川正春議員が質問に立った。

中川議員 北朝鮮政府は都合の悪い人物になると死亡したと発表しているが。

李氏 北朝鮮は嘘で塗り固められた国だ。死んだと言っても百パーセントは信じない方がいい。若い年代が簡単に死ぬとは理解できない。67歳の私すら何とか生き抜いてきた。北朝鮮人民よりはるかにいい暮らしをしているのだから簡単に死ぬとは思われない。仮に死んだと言われても、遺骨をもらってDNA検査をすれば白黒ハッキリする。

中川議員 韓国は脱北者など年間千人以上が北朝鮮から帰ってきているのでたくさんの情報が得られると思うが。

李氏 私が所属する脱北者を管理する団体は会員が4300人いる。そのほかにも様々な団体があり、そこから多くの情報が得られるのではないか。

 この後、自由討論が行われ、民主党の松原仁議員が、改正外為法を発動し北朝鮮に対して経済制裁を行うことの是非およびその効果について質問。李氏は、「北朝鮮に食糧などを支援しても、まず軍隊に、そして政権幹部に渡り、一般の市民には一切渡らない。援助を断って初めて金正日政権は手を挙げて降伏してくる」とした。日本のとるべき外交手法について考えを尋ねた増子輝彦議員の質問に対しても、李氏は「北朝鮮に対する援助をすべて断って、金正日政権に改革・開放しかないと認識させるしかない」と語った。

 また、民主党が日本での証言を働きかけている黄長ヨプ・元北朝鮮労働党書記はどのような情報を持っていると思われるか、と武正公一議員が質問。李氏は「黄氏は金日成が死ぬ前は北朝鮮のNo.2で、信頼されていた。彼の証言は正確な事実に基づくものになるだろう」と語った。

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