民主党中小企業局は19日、札幌市内で「中小企業パワーミーティング」を開催。この中で五十嵐文彦『次の内閣』ネクスト経済財政・金融担当大臣が「民主党版中小企業向け金融検査マニュアル」の素案を発表した。パワーミーティングでは五十嵐ネクスト経済財政・金融担当相のほか、中塚一宏同副大臣、三井辨雄中小企業局長、峰崎直樹税制調査会長が中小企業経営者ら約250人と意見を交わした。
金融検査マニュアルは金融庁や地方財務局が金融機関の検査を行う際に用いる手引書で、企業に対する融資が健全に行われているかどうかを客観的に評価しようとするもの。しかしこのマニュアルによる検査の結果、中小企業への貸し渋り、貸し剥がしが多発している。
現行のマニュアルについて中塚副大臣は、運転資金名目で貸し出されているいわゆる「ベッタリ貸し」を不良債権と見なしていることが問題だと批判。ベッタリ貸しは事実上、出資を受けていることと同じだとして、これを債務から資本に読み替えることが民主党版マニュアルの最大の特徴だと説明した。これによって、金融機関側もベッタリ貸しの額を自己資本比率の計算式の分母から除いて分子に算入できることから、自己資本比率が上がるとともに貸し出し余力も増え、中小企業への資金供給の増加が期待できる。
参加者からは「政府は銀行を助ければ中小企業向けの融資も増えると安易に考えているが、実際には銀行が助かっているだけだ」など政府の金融政策への批判や、貸し渋りの実態を訴える発言が相次いだ。
「中小企業パワーミーティング」は全国の中小企業関係者から直接話を聞いて中小企業政策に反映させようとするもので、札幌を皮切りに全国10カ所で開催される予定。
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