民主党の菅直人代表は19日、民主党本部を表敬訪問したヘルゲゼン・ノルウェー外務副大臣、グルトル駐日ノルウェー大使らと会談し、イラク問題への関与のあり方、中東和平問題、仲介外交などについて意見交換した。
ヘルゲゼン副大臣は冒頭、ノルウェーと日本は歴史的に経済分野をはじめとして良好な関係にあると挨拶。今後の両国関係については、最近のアフガニスタンやスリランカなどでの平和構築・維持、復興問題における共同作業を踏まえ「政治分野での協力関係が一層進展していく」との見方を示した。
菅代表は、ヘルゲゼン副外相が長年取り組んできた仲介外交、紛争解決への取り組みや議論について質問。副外相は「国際紛争の解決、平和構築など国際問題への関与においては国民の支持をどう高めるかが課題である」と述べた。
イラク問題について菅代表は「民主党はイラクへの自衛隊派遣に反対した。それはイラク復興が不要だからではなく、国連中心あるいはイラク人による政府ができていない中での関与は望ましくないからだ」との考えを述べ、この問題に対するノルウェーでの議論について質問した。ヘルゲゼン副外相は「政府はイラク戦争に反対していたが、開戦後、イラク安定化のため、150名のノルウェー部隊を非戦闘要員として派遣した。国会での支持はあるものの、依然国民の間には反対意見も多い」とノルウェーでの状況を説明した。
今後のイラク復興作業の展開に関連し副外相は「イラクが早く国連へ復帰することを期待するし、国連のプレゼンスも確立してもらいたい。今後もNATOの一員としてイラク復興に取り組んでいきたい」と語った。
会談には、枝野幸男政調会長、中川正春政調会長代理、松本剛明ネクスト防衛庁長官、荒井聡役員室長、藤田幸久国際局長が同席した。
|