民主党政策調査会長 枝野幸男
本日、平成16年度予算が参議院において可決、成立した。本年の予算審議は、実質的な審議に重点をおいた内容の濃い議論であった。特に年金保険料の流用やグリーンピア等施設関連などの無駄遣いについて、歯止めが掛けられたことは、国民にとって極めて有意義であったと考えている。
国会審議を通じて、無駄遣いの一部を改善することはできたが、予算全体として「論外」であることに変わりはない。既得権益にあふれた予算のツケは、国民にしわ寄せされていく。本予算は、その姿を如実に表すものであった。
年金では、常に将来見通しを誤る政府の失敗によって、「負担増・給付減」という国民へのしわ寄せが繰り返されている。未加入者を国民年金収納率アップのCMに起用するに至っては、政府の失敗も極まれり、という感さえある。
三位一体改革では、政府与党内の既得権益維持闘争の末に、土壇場で2兆円もの補助金等削減を決定したため、地方は来年度予算の編成にあたり、塗炭の苦しみを味わっている。まさに地方へのしわ寄せである。
「財政再建」を高らかに掲げながら、その実、故小渕総理をはるかに超えた「世界一の借金王」となり、毎年度史上最高の国債発行額を更新していく小泉予算は、天文学的な借金というしわ寄せを、将来世代に押しつけている。
本予算は、上記「しわ寄せ三点セット」を中心とした国民虐待予算であり、与党族議員と霞が関を守ることに全力を挙げ、そのツケを国民、地方そして将来世代に押しつけている。今後はより直接的なしわ寄せである増税、社会保険料引き上げを予定しており、このままでは、国民生活は破綻する。
民主党は、昨年に引き続き独自の予算案を編成し、国民に提示した。今後はさらに、最重要課題である年金、高速道路問題等で堂々と対案を提示し、安易に負担増を求めない民主党政権の実現に向けた、国民の一層の理解を求めていく所存である。
以 上
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