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2005/10/18
テロ特措法改正案の衆議院通過について(談話)
民主党政策調査会長
松本 剛明


本日、テロ特措法改正案が、民主党の指摘した数々の問題点を残したまま衆議院を通過した。シビリアン・コントロールの基礎となる説明責任を果たさず、重要な論点が積み残された本改正案に民主党は反対した。

 2001年9月11日の米同時多発テロ事件以後も、スペイン、インドネシア、イギリスなどで深刻なテロが多数発生している。国際社会が一致団結して取り組むテロ撲滅において、アフガニスタンが重要であることを、民主党は十分認識しているが、特措法1年延長を判断するに当たっては、その実績・成果に対する評価が不可欠である。にもかかわらず、政府は、関係各国が自衛隊に感謝しているなど抽象的な釈明に終始し、明確な説明責任を果たしてこなかった。とくに、イラク作戦とアフガンでの活動とを同じく「テロとの闘い」と位置づけている米軍の活動に、わが国自衛隊のインド洋・アラビア海での給油活動が転用されていないかどうか、政府の答弁から見極めることは極めて困難であった。

 また、民主党は、アフガニスタンの安定と復興には、元兵士の武装解除、教育・職業訓練、麻薬撲滅対策、対テロ情報収集への協力、司法協力、金融制度支援など、「テロの根」を絶やす対策が重要である、と重ねて主張してきた。総合的なテロ対策に真剣に取り組まず、漫然と特措法を延長していく政府の姿勢は、まさに小泉政権の官僚丸投げ、問題先送り体質を象徴するものである。

 民主党は、参議院においても、政府に対し、不審船舶への質問、立入検査、行先変更要請の現状、押収武器、麻薬など禁制品の内容、経費、活動中止の場合の国際的信用、国際協調体制の動向などについて明確な説明を求めていく。同時に、自衛隊の海外活動にかかるシビリアン・コントロールの徹底、武器使用基準の問題、国際貢献のあり方など、本質的な議論を政府に求めていく。


以 上
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