参議院外交防衛委員会において16日、イラク特措法に基づく自衛隊派遣についての閉会中審査が行われ、民主党・新緑風会の榛葉賀津也、若林秀樹の両議員が小泉首相と議論を戦わせた。
榛葉議員はまず、フセイン元大統領の拘束後もイラクの治安は回復していないとして小泉首相の認識を質した。首相も、「かなり厳しい。すぐに安定に結びつくような状況にはなっていない」と認めた。また、NGO職員など民間人が拉致された場合に派遣された自衛隊が行いうる対応を質したのに対し、石破防衛庁長官は「退避勧告が出ている。想定できない」などとごまかすことしかできなかった。
若林議員は、日本の外交官2人が殺害された事件について、その後政府関係者・捜査当局が一度も現場に行っていないことを指摘し、「訓令で赴いた日本人が殺されたのに、その場所に行ってもいない。自ら事件の状況を調べることもなく、自衛隊を送れるのか」と厳しく追及した。首相は「調査は日本だけではできない」などとはぐらかしたが、「遺志を継いで派遣を」という首相の論理のご都合主義が明白になった。
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