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2004/05/06
一元化を展望した年金法案修正を勝ちとる
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 民主党と自民・公明両党の幹事長・国会対策委員長が6日夜、この日3度目となる会談を開き、年金一元化、国民年金保険料未払い問題への対応などに関する民主党提案について協議した。その結果、衆参それぞれの厚生労働委員会に年金の一元化を含む社会保障制度全般のあり方を検討する小委員会を設置し、2007年3月をめどに結論を得ること、「公的年金制度の一元化を展望し、体系の在り方について検討を行う」などの文言を付則に盛り込む形で政府年金法案の修正を行うこと、など8項目で合意した。また、民主党が主張していた全国会議員の保険料納付状況の公表については、自民・公明両党が最後まで反対し、合意に盛り込まれなかった。

 これを受け、年金制度改革関連法案は7日の衆院厚生労働委員会で小泉首相が出席して補充質疑が行われ、11日の衆院本会議で採決される見通しとなった。採決で民主党は、政府原案には反対し、修正案には賛成する方針。

 3党合意の内容は下記の通り。

■社会保障制度の全般の見直しについて
〔1〕衆参両院の厚生労働委員会に小委員会を設置し、年金の一元化を含む社会保障制度全般の一体的見直しを行い、07年3月を目途に結論を得て、随時実施を図る
〔2〕小委員会の設置にあわせ、与野党により、平成16年度から年金の一元化問題を含めた社会保障全般の見なおしのための協議会を設置し検討する
〔3〕年金保険料については、社会保険制度全体の在り方の検討状況や経済社会情勢の変化などを勘案して、必要に応じて検討を加える
〔4〕11日の衆院本会議で政府案に付則を追加する修正を行う
〔5〕衆院厚労委で年金に関する委員会決議を行う
■国民年金保険料の未納問題について
〔1〕未加入者・未納者に対する通知や督促を適正に行うための措置を講じさせる
〔2〕誤って未加入・未納となった場合、現在2年となっている事後納付期限の関係法令の改正を今国会で行う
〔3〕民間から登用される閣僚については国家公務員共済年金に加入できるよう今国会で政令改正する

 会談後の会見で民主党の岡田克也幹事長は、合意成立の経緯について、「一元化の問題を中心とした見直しの方向性がきちんと担保できるかということで交渉してきたが、一定程度の前進が見られたので合意に至った」と説明。法案の付則に「公的年金制度の一元化を展望」と明記したことで、一元化の実現に向けた議論が行われることを確保できたのではないかとの見方を示した。

 また、合意文に「年金保険料について事情を勘案して必要に応じて検討を加える」との文言が盛り込まれたことについては、「法案のなかに明示されている今後の保険料の引上げが、検討状況によって変わりうるということだ」と説明し、国民への一方的な負担増にある程度の歯止めをかけることができたとした。法案の一部修正だけでは不充分との声に対しては、7日の衆院厚生労働委員会の補充質疑で小泉首相を質し、その答弁を議事録に残すことで担保をとっていくとの考えを示した。

 岡田幹事長はまた「十分ではないが、年金制度の抜本改革に繋がるための合意だ」と語り、具体的な内容が与野党間で確認され、修正が法案に盛りこまれたことは一定の前進があったとし、今後は国民の世論の後押しを得て、より議論を深めていきたいと語った。

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