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2003/02/05
【参院本会議】朝日議員、4月からの健保本人3割負担凍結求める
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 小泉首相の施政方針演説に対する参議院本会議での代表質問2日目となる5日、民主党・新緑風会の朝日俊弘議員は、市町村合併、環境税導入、食の安全、社会保障改革などの問題を取り上げて小泉首相らの姿勢を厳しく質した。

 朝日議員は冒頭、「小泉首相にお願いがある。元気がないのか、早口での原稿棒読みが多いが、もう少し心を込めてていねいに答弁を」と求めたが、この日も小泉首相は演説内容から一歩も踏み込まない答弁書を早口で棒読みしただけ。何一つ印象に残らない答弁だった。

 「医療制度については、国民皆保険を守り、将来にわたり良質で効率的な医療を国民が享受できるよう、先般、大幅な改革を行った」とする小泉首相の演説に対して、朝日議員は「あきれ果てた。先の健保法改正は文字通り『改革なき負担増』にすぎない。改革すべき課題はほとんど先送り、後回しにしたではないか」と述べ、4月から実施予定の健保本人の窓口3割負担を凍結するとともに、課題となっている抜本改革を一つ一つ実行し、そののちに改めて医療費の動向や健保財源の状況を見定めて判断すべきだと提案した。近く野党4党共同で法案も提出するとしている。

 この提案に対して小泉首相は、「国民皆保険を堅持するためには、国民が等しく負担を分かち合うことが必要。極力負担を抑制するためにも、予定通り実施させていただく」と紋切り型の答弁を返すのみ。一方、坂口厚生労働相は、高齢者医療制度などの抜本改革について3月までに各方面の議論や意見の聞きながらまとめたいとし、「朝日議員におかれましてもよろしくお願いしたい」とリップサービス。

 年金制度について朝日議員は、「総理は、平成16年度改正の中身と改革に向けた考え方に一切触れておらず、これではいくら『国民的な開かれた議論』を求めても応えようがない」としたうえで、基礎年金国庫負担率二分の一への引き上げ問題を含む年金制度改革の検討のポイント、今後のスケジュールを説明するよう求めた。坂口厚生労働相は、「今回の改正は1年間の議論をいただく時間的ゆとりを取った。制度の根幹にかかわる見直しについても、基礎年金の税方式化、2階部分の民間保険化、さらにスウェーデン方式などの案を提示している」などと答弁。

 朝日議員は最後に、障害者ホームヘルプサービスについての支援費制度の施行にあたって、厚生労働省と障害者団体や自治体側の意見対立が表面化した問題に言及、「たんなる説明不足でなく、厚生労働省の基本的なスタンスに問題がある」と批判した。坂口厚生労働相は「皆さんとつねに意見を交わすことが重要だが、そこが十分でなかった」と反省し、「今後は各種団体との意見調整を制度化していけるようにしたい」と改善策の方向性を示した。

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